3月18日から21日にかけて、第87回日本薬理学会年会（テーマ「復興と創造」）が仙台市内で開催されました。
その会期の翌日に、仙台国際センターにおいて市民公開講座「震災によるこころへの影響の克服を目指して」が催され、講演の前に「オープニング復興コンサート」として声楽アンサンブルStella（ステラ）が演奏しました。
 講演会は薬理学の視点から「認知症」「うつ病」「糖尿病」についての内容でしたが、いずれにしてもストレスなどこころの状況が大きく関わる病であり、音楽を聴くという行為も、その困難な状況から抜け出すためのきっかけとなりうるものです。来場者の興味関心はそれぞれ違っていたかもしれませんが、講演の前のひとときをリラックスして楽しんでいただければと思いました。
Stellaは結成10周年になるグループで、ソプラノの大宮香織さんと千石史子さん、メゾソプラノの小野綾子さん、ピアノの遠藤明子さんの4名で活動しています。小野綾子さんは2011年4月にAERで連日行われていた「復興マラソンコンサート」に参加しました。また、千石史子さんは2012年6月に岩手県野田村や宮古市へ仙台フィル団員と共に訪問しました。今回のコンサートは演奏家それぞれの震災当時の話を交えながら進められ、演奏家もまた被災者であったという点にもお客様が身近に感じてくださった様子でした。
プログラムはカッチーニ「アヴェ・マリア」から始まり、日本の四季を歌った童謡のメドレーや、星野富弘さんの詩に宮城学院女子大学教授でもある作曲家なかにしあかねさんが作曲した歌曲が多く紹介されました。3人でのアンサンブル、ひとりずつのソロ、ピアノなしのアカペラなどバラエティに富んだ構成でした。それぞれの歌詞に込められた思いも伝わってきて、お客様にも大変喜んでいただくことができました。複数の声が重なってハーモニーが生まれるところが音楽は素敵ですね。
なお、Stellaのみなさんは初めての自主公演を控えていらっしゃいます。澄んだハーモニーと、チームワークの良さで素敵な公演になることと思います。よろしければどうぞお出かけください。

■ Stella Spring Concert ～春風にのせて～
ステラ結成10周年を記念して、星野富弘・なかにしあかね作品を中心にお届けします。
・日時　2014年4月12日(土)　開演14:00
・会場　宮城野区文化センター　パトナシアター
・出演　Stella  大宮香織(ソプラノ)　 千石史子(ソプラノ) 　小野綾子(メゾソプラノ)　遠藤明子(ピアノ)
・曲目　女声合唱組曲『今日もひとつ』より「いつだったか」「今日もひとつ」　 『悲しみの意味』より「愛されている」他【詩＝星野富弘　曲＝なかにしあかね】
・入場料　前売2,500円／学生1,500円／ペア4,500円／当日3,000円
・プレイガイド　ヤマハミュージックリテイリング仙台店、カワイミュージックショップ仙台店、サンリツ楽器ピアノパーク
・問合せ先　090-8257-6969(大宮)　080-1828-2561(遠藤)