お知らせ

「清流ふれあいコンサート」開催しました

2014.4.7

東北大学川内キャンパスにほど近いところにある国家公務員住宅団地は現在、借上げ民間賃貸住宅(みなし仮設)として利用されています。その仮設住宅の自治会「川内清流の会」から復興コンサートの依頼があり、本日、仙台フィル楽団員による弦楽四重奏をお届けしました。出演は、ヴァイオリン宮﨑博さんと山本高史さん、ヴィオラ長谷川基さん、チェロ石井忠彦さんです。会場にはおよそ35名の方が集まりました。
この集会所がオープンしたのは2012年1月のことでした。長らく使われていなかった公務員住宅の管理棟を居住者や区の職員などが協力して掃除や改修を行なったそうです。ヴァイオリンの宮﨑さんとヴィオラの長谷川さんはその開所記念の復興コンサートでここを訪れました。
IMG_20140407_141333  今日は2年3か月ぶりの再会コンサートともなりました。長谷川さんが「いつも近くの道を通るたび、みなさんどうしてるかなぁと気になっていたんです。だからまた来られてうれしいです」と話すと、前回のコンサートもご覧になっていたのでしょうか、嬉しそうにうなづく方が何人もいました。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「アヴェ・ヴェルム・コルプス」などクラシック曲、「ムーン・リヴァー」「八十日間世界一周」などの映画曲、さらに清流にちなんで「川の流れのように」「青葉城恋唄」が演奏されました。
最後に「この曲を演奏することは迷ったのですが、でも」と前置きして「故郷」が演奏され、会場のみなさんと一緒に歌いました。この仮設住宅には気仙沼、石巻、亘理、福島とさまざまな地域から避難してきた方が住んでいます。どの方も失われた故郷に対する強い思いがそれぞれあることでしょう。しかし、前を向いてそれぞれの「新しい故郷」をつくっていってほしいとの演奏家の願いがその演奏には表れていました。IMG_20140407_141825
自治会長の小瀬良さんから「前回のときは音楽を味わうような状態ではなく、ただただ涙するだけでしたが、今日は心から楽しむことができました。そして希望を感じました」と感謝の言葉をいただきました。その言葉に演奏者も感極まった様子でした。

IMG_20140407_145403演奏後のお茶のみ会に出演者も参加して、お茶とお漬物とおしゃべりを一緒に楽しみました。2年前のコンサートで撮影した写真を見せると「あら~○○さんだ」「やっぱりちょっと若いねぇ」と話に花が咲きました。
帰り際、ヴァイオリンの山本さんが「また来ますから、呼んでください」と言うと、「ぜひお願いします!」とのお声がありました。またお会いしましょう。IMG_20140407_144638