お知らせ
「福島を元気に!!ファミリーコンサート」開催しました
- 2014.4.26
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福島駅から西へまっすぐ延びる一本道をゆくと、遠くに山並みを望むのどかな風景の笹木野地区へ着きます。リンゴ畑の中に建つ吾妻学習センターは生涯学習施設として多くの地域住民に利用されています。今日は市民公開特別講座「福島を元気に!!ファミリーコンサート」が開催されました。昨年秋、こちらの職員の方から「福島市民を音楽で元気づけたいのでコンサートをやってください」と手紙をいただいたことがきっかけでした。
震災後およそ1年間、この学習センターは避難所となっていたそうです。今日の初夏を思わせるうららかな陽気に周囲のりんご畑は花盛り。震災の痕はなにも残っていないようですが、町のあちこちに放射線量を示す掲示板が立っています。さて、本日の出演は仙台フィルハーモニー管弦楽団メンバーによる弦楽四重奏団カルテット・フィデス(ヴァイオリン松山古流さん&熊谷洋子さん、ヴィオラ御供和江さん、チェロ石井忠彦さん)です。会場には小さなお子さんからお年寄りまでおよそ250名の方が集まりました。開場時刻のだいぶ前から列ができ始め、開場したとたんに駆け込んで来る方が多くありました。このコンサートへの期待のほどが感じられるスタートダッシュでした。
プログラムは老若男女向けのヴァラエティに富んだ内容で、ヴィヴァルディ、ハイドン、モーツァルト、サティなどクラシック曲、映画やアニメの曲、季節にちなんだ唱歌、タンゴ、昭和歌謡など、古今東西を一気に駆け巡るような楽しさにあふれていました。
最初は背筋を伸ばして緊張&謹聴していたみなさんでしたが、進行役の御供さんのおもしろトークと心躍る音楽のリズムにすっかり打ち解け、笑顔になっていました。演奏と一緒に「北国の春」と「故郷」を歌った時は、涙拭きながら歌う人もいました。終演後は、センター職員さんの計らいで仙台フィルのCD「つながれ力つながれ心」が当たる抽選会がありました。くじ引きの番号が呼ばれるたびにため息と歓声が会場のあちこちで上がりました。10名の方にCDが手渡されました。
その後、会場の出口に演奏者が並び、お客様のお見送りをしました。多くの方と直接言葉を交わし、握手を交わしていました。お客様の見せる笑顔や握手に込められたエネルギーが演奏者にとっても元気と勇気のもとになっているんですね。フィデスのみなさんは「また来ますから!」と力強く手を振っていました。