お知らせ
【花は咲く】振り返り会_その1
- 2014.4.30
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宮城野区被災者交流支援事業 ≪仙台フィルとうたう「花は咲く」合唱団プロジェクト≫
(主催:音楽の力による復興センター・東北、仙台市/助成:ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞)
おおむね60歳以上の津波で被災した方々と毎月1回、仙台市宮城野区内3か所の会場で合唱の練習を重ね、
去る4月23日、宮城野区文化センターのステージで仙台フィルと共演しました。コンサートはたった一週間前のことでしたが、なんだか遠い昔のことのような、不思議な感じです。
今日は、ここ宮城野区中央市民センターで練習したチームに加え、高砂市民センター組の7名も参加しました。最後の日にしてちょっと新鮮な雰囲気も漂う振り返り会です。
本番という大事業を終えてほっとしたのか、同窓会のような賑やかさと朗らかさが感じられます。
まずは「自分たちの本番を観ましょう」とスクリーンに映像を投影してみんなで鑑賞しました。本番の緊張がよみがえったのか、固唾をのんで見つめる方もいれば、「おーいいねえ」と拍手する方もいます。
合唱指導を務めた齋藤翠さんが「楽譜の開き方が揃うともっとよかったですね」とコメントすると「あぁ…」「でもこの時は…」「だってもうなにがなんだか…」といろいろな声が上がりました。
続いて、この企画に参加しての感想をお一人ずつ話していただきました。「月に一度の練習が本当に楽しみでした」
「故郷の福島にはもう戻れないんです。最初は歌詞を見るだけで涙が出て歌えませんでした」
「仮設住宅にいるといろいろあるんです。でも、ここへ来て歌うといい憂さ晴らしになりました」
「仙台フィルと一緒に歌うなんてことは一生ないことだから、うれしかった」
「これまで歌ったこと全然なくて…でも、先生やみんなの頑張りを見て《自分も頑張ろう》と思いました」
「この歌が大好きで《いつか自分も歌ってみたい》とずっと思っていたので、願いが叶いました」
「私は震災後、一時声が出なくなったのですけど、最後まで歌えてうれしいです」
「ここで新しくお友だちになって、今は一緒に遊びに行くようになったんですよ」
「これで終わりになるのはとても残念です。また歌いたいです」
「一生の思い出になりました」
「次もよろしくお願いします」なんと便箋4枚にわたる手紙を書いてきてくださった方もありました。
全てが終わったが、眼には熱いものが溜ったままであった。感動。
ハンカチを、と思ったら忘れていた。
手の甲でぬぐったら、涙のかたまりがライトの光を浴びてキラリと光ったお互いの言葉を聞きながら、みなさん涙ぐんだり笑ったりしていました。
本当は、みんなで一つのことを成し遂げたこれからが本格的な交流が始まるのかもしれませんね。今日で終了するのはまさに後ろ髪引かれる思いです。最後に「じゃあ、今日も歌いましょうか!」と翠さんが言うと、「わあっ!」と会場が沸きました。季節にちなんで 「春が来た」を歌いました。「花は咲く」が終わったので「春が来た」わけですね。
閉会の時刻となりましたが、別れ際も去りがたい様子で、立ち話しがなかなか終わりません。この打ち解けた様子は、練習初回のことを思い出すと隔世の感があります。みなさんそれぞれに新しい仲間と新しい自分に出会ったのだなあと思いました。
「じゃあまた次回ね」「よろしくね」と笑顔で手を振るみなさんでした。