お知らせ

【花は咲く】振り返り会_その2

2014.5.8

宮城野区被災者交流支援事業 ≪仙台フィルとうたう「花は咲く」合唱団プロジェクト≫
(主催:音楽の力による復興センター・東北、仙台市/助成:ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞)
おおむね60歳以上の津波で被災した方々と毎月1回、仙台市宮城野区内3か所の会場で合唱の練習を重ね、
去る4月23日、宮城野区文化センターのステージで仙台フィルと共演しました。

IMG_20140508_110058五月の連休が終わると街のケヤキ並木も緑陰を増し、仙台も初夏の気配が感じられます。
今日は仙台市高砂市民センターでこの企画の振り返り会を行ないました。今日の会場は、明るく広々とした畳の部屋のためでしょうか、みなさんとても寛いだ雰囲気です。コンサートをやり遂げた達成感もあって、表情が晴れ晴れとしているようにお見受けしました。
さっそく、みなさんに記念写真やお客さんからのアンケートをまとめたものをお渡ししました。すると、「あらぁ、写真写りいいわー」「わあ〈感動しました〉って書いてある!」と、あちこちで歓声が上がりました。

「仙台フィルの方と共演したり、あんな立派なホールで歌ったり、私の人生のアルバムの一ページになりました」「ずっと声が出なくてどうしようかと思っていたのに、本番の舞台で初めて声が出たんですよ」
「韓国ドラマの『冬のソナタ』以来のわくわく感を感じました」
「月に一度ここに来るのが本当に楽しくてカレンダーに書き込んでました。もうないのかと思うとさびしいです」
「中卒でずっと働きづめだったから合唱なんてやったことない。でもこの歌いいなあ、覚えたいなあと思って参加しました」
「友人に誘われて参加しましたが、友人はすぐやめてしまったので最初は続けるかどうしようか迷いました。でも、だんだん楽しくなってきて、今ではこれに参加して本当によかったなあと思います」
「以前は気持ちが落ち込んでいて、歌なんか歌える気分じゃないと参加を一度断ったんです。でも、たまたまその日テレビで『花は咲く』をアカペラで歌ってる人をみて、すごく感動して〈やっぱりやります!〉と申し込みました」
「石巻出身です。多くの知人の消息をつかめないまま仙台へ引っ越しました。でも、今回のコンサートのニュースをテレビで見て、私が無事で仙台に暮らしていることを見つける人がきっといると思います。私が元気だと発信できてうれしいです」
「私の町内は津波の被害が大きくて、みんなばらばらになりました。でも、合唱団で同じ町内だったと再会できてうれしかった。〈お互いにがんばろうね〉と励まし合ったんです」

人前で話すのは苦手だと恥ずかしがる方もいましたが、お一人おひとりに話していただきました。月にたった一回の歌の練習でしたが、みなさんの中でこれほどまで大切な時間になっていたのだなあ、と改めて感じました。

IMG_20140508_110232最後にはいつものように歌の時間を設け、齋藤翠さんのリードで「ずいずいずっころばし」「春が来た」「雪」などおなじみの曲で歌あそびをしました。声を合わせることの、素朴で明るいよろこびが会場にあふれました。
会場を去るとき、どの方も「またね」「またよろしくね」と笑顔で挨拶していました。