お知らせ

【花は咲く】振り返り会_その3

2014.5.12

宮城野区被災者交流支援事業 ≪仙台フィルとうたう「花は咲く」合唱団プロジェクト≫
(主催:音楽の力による復興センター・東北、仙台市/助成:ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞)
おおむね60歳以上の津波で被災した方々と毎月1回、仙台市宮城野区内3か所の会場で合唱の練習を重ね、
去る4月23日、宮城野区文化センターのステージで仙台フィルと共演しました。

各練習会場で行なってきた振り返り会もここで最後です。今日は福田町一丁目南仮設住宅集会所にうかがいました。そう言えば、「花は咲く」合唱団プロジェクトはそもそもここから始まったのでした。昨年の5月に復興コンサートで仙台フィルのヴァイオリニスト小川有紀子さんとチェリストの山本純さんが演奏し、コンサートの最後にみなさんでリクエストのあった「花は咲く」を歌いました。その後、当時の自治会長さんが冗談で「じゃあ次は仙台フィルをバックに歌おうか!」と言いました。小川さんも山本さんも「それいいですねえ!」と言いました。
IMG_20140512_144704あれから1年、「いやあ、まさかこんなことになるとは」「下手に冗談は言えないねえ」とみんなで笑い合いました。ずっと合唱指導をしてきた声楽家の齋藤翠さんと伴奏の可沼美沙さんも参加して、いつもの顔ぶれが勢ぞろいしました。今日もいつものようにテーブルにはお茶とお菓子と自家製の漬物が並んでいます。
 本番の記録映像を見て笑ったり涙ぐんだり、観客アンケートを読んで照れたり驚いたり、と賑やかな集まりになりました。

「ほんとに一生の思い出だ」
「もうこんなことないんだろうねえ」
「この記念写真、孫に見せて自慢すっちゃ」
「ほんとに夢みたいだったわあ。楽しかったぁ」
「忘れられない」

ここのみなさんはとても仲良しで、気心知れた仲間という雰囲気でした。私たちのことも快く受け入れてくださり、まるで親戚みたいな親しさを覚えていたほどです。でも、自宅を再建して戻った方や災害公営住宅に引っ越した方もいて、この集まりもだんだんほどけていくことを実感しました。
IMG_20140513_175202ある方が「これ、みなさんをイメージして作ったの」と、スタッフ一同に縮緬細工のうさぎを手渡してくださいました。私たちもあやうく泣きそうになりました。
プロジェクトが終わるという淋しい気分を吹き飛ばすように、いつものように「歌を練習しますよ!」と「夏は来ぬ」をみんなで歌いました。IMG_20140512_145026
こうして毎月一緒に歌ったこと、あの晴れ舞台で喝采を受けたこと、そんな思い出が、これからのみなさんの支えになってほしいと思いました。