お知らせ

まざらいん若林「愛・逢サロン」に伺いました

2014.5.14

仙台市東部の若林区は津波被害の甚大だった地域です。若林地区社会福祉協議会と支えあいセンターわかばやしが主催する「愛・逢(あいあい)サロン」は、地域住民と若林地区にお住まいの被災者との交流会として継続して開催されています。この地区には、閖上、石巻、東松島、若林区内の沿岸部からいらしている方が多いそうです。
今回は「弦楽四重奏の調べ」ということで、杜の弦楽四重奏団のみなさんと伺いました。メンバーはヴァイオリン岡 千春さん、門脇和泉さん、ヴィオラ齋藤恭太さん、チェロ塚野淳一さんです。IMG_20140514_100750
会場は若林市民センターの会議室。およそ35名の方が集まりました。久しぶりにサロンに参加する方もいらしたようです。プロのクラシックの演奏家による音楽会は、こちらのサロンでは初めてとのこと。演奏家がドレスと蝶ネクタイで現れたのにも、みなさんびっくりした様子でした。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」から始まって、仙台ならではの「青葉城恋唄」や民謡「斎太郎節」と続きます。
IMG_20140514_101639その後の曲名当てクイズでは瀧廉太郎「花」やパッヘルベルの「カノン」の一部が出題されましたが、みなさん「聴いたことはあるんだけど!」となかなか曲名が出てこない様子…塚野さんの軽妙な進行で笑いが絶えない時間となりました。
また、ヴィオラを見て「それは皇太子さんの弾いている楽器ですか?」と質問が出たり、知っている曲に合わせて体を揺らしたり歌ったり、とみなさんそれぞれに積極的に音楽を楽しんでいました。

IMG_20140514_113216終演後、大広間に場所を移して茶話会がありました。若林区社会福祉協議会の安達会長の奥様が用意してくださった煮物やおひたしなどを食べながら、みなさんにマイクが廻り、コンサートの感想を伺うことができました。

「『青葉城恋唄』は、私だけの思い出がある曲だったので、今日聴いて涙が出ました。本当にいい曲だと思いました」(女性)
「今まで、演歌しか聴いてこなかったから、こういうのを聴いたのは初めてでした。でも、とっても良かった。感動した。これからはクラシックも聴いてみようと思いました」(男性)
「終戦後、尋常小学校が新制小学校に変わった年に、1年生になりました。その頃に流行っていたのが『リンゴの唄』。今日はその『リンゴの唄』が聴けて、とっても良かったです」(女性)
「小学生の頃、川崎町の田舎の方の学校に通っていました。小学2年生の時に受け持ってくれた先生がギターを弾く方で、空襲警報がなって、山の防空壕に逃げた時にも、音楽で私たちを落ち着かせてくれたのを、今日は思い出しながら聴いていました」(女性)

皆さんの感想を聞きながら、門脇さんが「聴いてくださる方お一人お一人が、それぞれに、その曲の思い出をお持ちですね」と言いました。『リンゴの唄』は終戦後はじめて大ヒット曲となった曲です。その当時を知るみなさんには、一言ではとても言い表せない様々な思いと共に思い出される曲なのだろうと、改めて思いました。
お名残り惜しく別れながら、「また、どこかで!」と声をかけていただきました。みなさんもお元気で!