お知らせ
「ふれあいコンサートin富沢」へ
- 2014.5.20
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仙台市の南部にある富沢地区は震災以降人口が増えている地域の一つです。亘理や名取など宮城県沿岸南部や福島県から移転してきた方が多いとの話を聞きました。会場への道すがら、建設中の住宅や新築のアパートが目につきます。富沢地区や隣接の西多賀地区には、現在借上げ民間賃貸住宅(みなし仮設)が180世帯以上あるそうです。
さて今日は、みなし仮設にお住まいの方と地域の方々の交流の場として、また、地域のお世話役である民生委員や児童委員、町内会長さんをねぎらう場として「ふれあいコンサート in 富沢」を開催することになりました。出演はソプラノ沓澤裕恵さん、ヴァイオリン駒込綾さん、ギター小関佳宏さんのトリオです。沓澤さんと駒込さんは山形県から駆けつけてくださいました。
今日は初夏を思わせるような明るく透き通った陽光が差してとてもうららかな日和です。会場にはおよそ70名の方が集まりました。
まずはロッシーニ「アルプスの羊飼いの娘」、続いておなじみのカンツォーネ「オー・ソーレ・ミオ」です。沓澤さんの澄んだ声は今日の天気のようでした。歌い終わると客席からは「わあ…」「おお…」と歓声とため息が聞こえてきました。
進行役を務めた駒込さんのトークが大変楽しく、客席はしばしば笑いに包まれました。富沢地区社会福祉協議会ではコンサートを行なうのが今回が初めてということで、「クラシック演奏会は地域の人に受け入れてもらえるだろうか」とスタッフさんは緊張していたらしいのですが、駒込さんの気さくで親しみやすいお話しに会場はすっかり和やかムードになっていました。
その後はがらりと雰囲気を変えてヴァイオリンとギターによる「朧月夜」「浜辺の歌」です。柔らかな弦のハーモニーが日本の抒情歌ならではの良さをさらに引き出して、目を閉じてしみじみと聴き入る方が多くありました。
続くギター独奏は昭和のムード歌謡「小樽の人よ」です。特に男性の方が口ずさんでいました。演奏中ずっと「お~うまいねえ~」「すごいねえ~」と感嘆しているおじさんがいたおかげでしょうか、演奏者自身もお客さんから元気をもらって、演奏がさらにいきいきしてきたようです。最後は会場のみなさんが演奏に合わせて「花は咲く」を歌いました。「一緒に歌いたいです」と事前にリクエストをいただいていただけに、熱を感じさせる歌いぶりでした。
大きな喝采とたくさんの笑顔の中でコンサートは終わりました。みなさんどうもありがとうございました。