お知らせ
「旭ヶ丘みんなのコンサート」開催しました
- 2014.6.19
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仙台市旭ヶ丘市民センター、仙台市社会福祉協議会 支えあいセンターあおば、音楽の力による復興センター・東北の三者共催による「音楽の力で元気になろう! 旭ヶ丘みんなのコンサート」が開催されました。
この事業は、旭ヶ丘地域の住民とこの地域のみなし仮設住宅に暮らす被災者の方たちとを主な対象に、音楽を楽しむひとときをご一緒しましょう、という企画です。昨年6月と12月の開催に続き、旭ヶ丘市民センターからの熱い要望で今年度も継続することになりました。
今回は「~初夏のハーモニー 弦楽四重奏~」と銘打ち、杜の弦楽四重奏団の演奏に加えて、地域で活動するコーラスグループ、カナリヤ会のみなさんにゲスト出演いただきました。
にわか雨が降ったりやんだりのあいにくの天気でしたが、会場にはベビーカーに乗った赤ちゃんから、デイサービスセンターからいらしたお年寄りまで、160名余りの方が集まる盛況ぶりでした。
出演は、杜の弦楽四重奏団(ヴァイオリン岡千春さん、門脇和泉さん、ヴィオラ齋藤恭太さん、チェロ塚野淳一さん)です。幕開けは「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。普段なかなか身近で聴くことのない弦楽器の音色に、観客のみなさんは熱心に聴き入っていました。
クラシックの名曲が続いた後は、楽器紹介コーナーへ。岡千春さんが「ヴァイオリンの弓や弦は何でできているでしょうか?」「ヴァイオリンとチェロでは、弓の長さはどちらが長いでしょう?」など、クイズを交えながら解りやすくお話ししました。
その後、コーラスグループカナリヤ会のみなさんが「夏の思い出」と「野に咲く花のように」を歌いました。
「弦楽四重奏と一緒に歌うなんて生まれて初めて…」とのことで、みなさん緊張した面持ちでしたが、よく揃った声を聴かせてくださいました。とてもカラフルなTシャツがお似合いでしたよ。
続く曲当てクイズコーナーは杜の弦楽四重奏団の十八番。司会はチェロの塚野淳一さんにバトンタッチです。
今回は定番の「花」や「リンゴの唄」に、新曲の伊福部昭「ゴジラ」のテーマが加わりました。お客様の年代を考慮した選曲のはずでしたが、冒頭部分だけでは分かる方が誰もいらっしゃらず…。サビの部分を演奏した途端に、あちこちで手が上がりました。弦楽四重奏のコンサートで「ゴジラ」のテーマが聴けるとは、きっとどなたも思っていなかったのではないでしょうか?
アンコールではカナリヤ会のみなさんが客席通路に並んで、お客様と一緒に「夏は来ぬ」を歌いました。終了後、みなし仮設にお住まいの方と演奏家、そしてカナリヤ会のみなさんにもご参加いただいて、茶話会がありました。ヴィオラ齋藤恭太さんは、隣り合った方たちと「ゴジラ」の話で熱く盛り上がったそうです(選曲した塚野さんの読みが当たりましたね!) また、カナリヤ会のメンバーの中にも、震災で大きな宅地被害のあった方や、この周辺のみなし仮設に入居したのを機に会に加わった方がいらっしゃるとのことでした。今日の共演はとても楽しかった様子で、何人もの方が「こんな機会に恵まれるとは思ってもみなかった」「本当に楽しかったです」「ありがとうね」と声をかけてくださいました。
仙台市内の宅地被害については、個人の敷地である場合も多いためか、なかなかその後が取り上げられることは少ない気がします。みなし仮設にお住まいの方たちと同様、ご苦労の多かった方々に、少しでも明るい時間を持っていただくことができたのでしたら幸いでした。また、以前から旭ヶ丘地域にお住まいのみなさまに、同じ地域に暮らす方の中にも震災からさまざまに影響を受けた方がいることを知っていただけたのではないかと思います。