お知らせ

いわきエブリア「そよ風コンサート」へ

2014.6.23

福島県いわき市にある鹿島ショッピングセンター“エブリア”では、東日本大震災後、店舗が再開してから、館内にある吹き抜けのエブリア広場という場所を広く開放し、月に2、3度のステージイベントを開催しています。「震災を経て、未だ元気のないこのいわき市に、少しでも賑わいを取り戻そう!」との思いから始めたそうです。お笑いやパフォーマンス、ジャズ、ムード歌謡、フラダンス、中学校の筝曲部、小学校のブラスバンドまで、プロもアマチュアも区別なく、さまざまなジャンルの方々が出演しています。
IMG_5147s今日はアンサンブル・ゼフィーロのみなさんと伺いました。メンバーは仙台フィル首席トロンボーン奏者の菊池公佑さん、メゾソプラノの小野綾子さん、ピアノの佐伯美和さんです。
菊池さんは、震災直後、「こんな時だからこそ人々の心には音楽が必要だ」と、仙台の街のなかでどうにか演奏ができないかと奔走し、復興コンサートの基盤を立ち上げたお一人です。今回、久しぶりに復興コンサートへ参加いただけることとなりました。IMG_5185s

今日は2回公演を行ないました。
13時からの回では、合唱曲「あすという日が」から始まり、「虹の彼方に」、テレビドラマ『坂の上の雲』から「Stand Alone」など、しっとりとしつつも明るい小野さんの声に似合う曲が並びました。
IMG_5241s「八重の桜」のピアノ独奏をはさみ、後半は映画『ウエスト・サイド・ストーリー』から「America」や「Tonight」などが演奏されました。テンポが良さに加え、トロンボーンの遠くまで届くようなまろやかな音色が会場を盛り上げます。演奏が終わると「とっても楽しかったわよ!」と声をかけてくださるお客さまがいました。IMG_5213s
このエブリア広場でのコンサートを毎回楽しみに通う常連さんもいらっしゃるのだそうです。

15時からの回はクラシック曲を中心とした構成です。ヘンデルの「私を泣かせてください」やプッチーニのオペラ『つばめ』から「ドレッタの美しい夢」など、小野さんの声とトロンボーンの音色が親しく寄り添うような雰囲気は本当にせつなく、美しく聴こえました。
IMG_5251s「トロンボーンは、金管楽器の中でも歴史が最も古い楽器。人間の声に一番近いとか“神の声”と言われたりもします」と菊池さんが話した通り、最後の「花は咲く」で再びお二人がハーモニーを重ねた時には、まさに優しい人の声のように聴こえました。IMG_5268s
ショッピングセンターの中なので、なかなか静寂になることはないのですが、それでも特に15時からの回では、じっくりと集中して聴いてくださっているお客さんが多かったように感じました。ひとときでもハーモニーの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。