お知らせ
【文化庁派遣事業】仙台市立中山中学校へ
- 2014.10.26
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*音楽の力による復興センター・東北は、
平成26年度文化庁芸術家派遣事業〔東日本大震災復興支援対応〕の
音楽プログラムをコーディネートしています。うららかな陽気の日曜日、今日は仙台市西部にある仙台市立中山中学校を訪れました。復興コンサートでいつもお世話になっているフルート櫻井希さん、ピアノ藤井朋美さん、サックス亀井政孝さんがこの日のためにトリオを組み、吹奏楽部の生徒さんたちに演奏をお届けに行きました。
フルート、サックス、ピアノというややめずらしい編成で、しかも「音楽を志す若者のために」という趣旨で、本日のプログラムはいつもより難易度が上がっていたようです。フランスの作曲家ユージェーヌ・ボザによる無伴奏フルートのための「イマージュ」、ジェローム・ノーレ作曲のサックスとピアノによる「ラテン小組曲」などが演奏されると、生徒たちは息を詰め、食い入るようにして見つめていました。
また、亀井さんが冗談を交えて「この曲を聴くのは一生のうちで最初で最後だと思います。貴重ですよ」と紹介したのはケックランの「ジーン・ハーロウの墓碑銘」です。もともとサックスとフルートとピアノのために書かれた曲だとか。まさに今日のトリオにふさわしいですね。
途中で質問コーナーを設けました。毎日の部活の中で生まれる音楽上の疑問や質問に“先輩”が答えるという趣向です。生徒たちは最初がちがちに緊張していた様子でしたが、次第に手が挙がって「良い音を出すために普段から何かしていますか?」「合唱に合わせてピアノ伴奏するときのコツは何ですか?」「フォルテピアノがうまく吹けないのですが…」「フルートのビブラートの練習はどうするとよいですか?」など具体的な質問をしていました。演奏家たちはそれぞれご自分の経験から得たコツやヒントを丁寧に答えていました。
最後は急遽、演奏家と部員全員で「ようかい体操第一」の大セッションとなり、コンサートを終えました。文化庁芸術家派遣事業では保育所や幼稚園、小学校へ伺うことが多いのですが、こうして中学生(しかも吹奏楽部)に出会う機会は演奏家にとっても貴重なものでした。普段は演奏しないような、専門的なとっておきの曲を披露することができ、また、経験年数の違いはあれどおなじく音楽を志す「同志」として心を通わすことができました。帰り際、何人かの生徒が玄関まで走り出てきて「さようなら!」「また来てください」と演奏家に手を振っていました。
部員の中の誰かがあと何年か経ってプロになり、今日の演奏家とどこかの舞台で共演する日が来るかもしれませんね。そんな日を楽しみにしています。みなさん部活も勉強もがんばってくださいね!