今日は仙台市宮城野区の栄三丁目町内会主催「ふれあいいきいきサロン」へ復興コンサートをお届けしました。この地域自体は津波の直接的な被害は免れたものの、震災で命を落とした方が何人かいらしたそうです。会場の中野栄コミュニティセンターには、津波の影響で移転せざるを得なくなった中野地区の児童館が現在も間借りしてる状態でした。
冬の到来を思わせる鈍色の雲と冷たい風の中、およそ50名の参加者が集まりました。
本日の出演はソプラノ沓澤裕恵さん、ヴァイオリン駒込綾さん、ギター小関佳宏さんのトリオです。
今朝、山形からいらした沓澤さんと駒込さんが「笹谷峠はもう雪ですよ」といち早く雪の便りを携えて来ました。そう言えば、今年も残すところあと一か月半。時間の経過は本当に速いですね。
さて、コンサートが始まりました。まずは映画「マイフェアレディ」の「踊りあかそう」、そしてイタリア歌曲「アルプスの羊飼いの娘」「限りなく優雅な絵姿」と、ヴァイオリンとギターのハーモニーに乗って明るい歌声が響き渡り、どんよりした雲を吹き飛ばすかのようでした。
曲の説明をする駒込さんのトークにとても親近感が湧く様子で、とくにおばさま方はしきりとうなづきながら聴いていました。

続いて日本の歌コーナーでは「月の沙漠」「津軽海峡冬景色」「里の秋」などが演奏され、おなじみの歌も今日の編成で聞くとまた一味違って心に染み入るものです。「月の沙漠に思わず泣いちゃった」とある参加者が言っていました。
「里の秋」をみんな一緒に歌ったときは、逆に演奏家から「とても温かい声で染みてきました。ありがとうございます」との言葉がありました。音楽を通じてこういうやりとりができるのはすてきだな、と思いました。

最後は町内会からのリクエストだった「花は咲く」をご一緒して締めました。終演後に廊下で「ほんとに良かったわ」「ほんとにねぇ」とのお言葉をいただきました。喜んでいただけて私たちも嬉しいです。どうもありがとうございました。