お知らせ
【気仙沼①】水梨コミュニティ住宅へ
- 2014.11.17
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今年度は毎月、気仙沼へ復興コンサートをお届けしています。気仙沼の仮設住宅での医療・福祉・文化支援のコーディネートを個人ボランティアで行なう村上充さんのご協力をいただいて実現しています。いつもありがとうございます!
さて、今月登場したのはおなじみの《カルテット・フィデス》、メンバーは仙台フィルハーモニー管弦楽団ヴァイオリン松山古流さんと熊谷洋子さん、ヴィオラ御供和江さん、チェロ石井忠彦さんです。ツアーの最初に訪れたのは水梨コミュニティ住宅の集会所です。会場にはご年配の方18名が集まりました。
ベートーヴェンやクライスラーなど弦楽四重奏ならではの美しい調べを楽しんでいただいた後は、演歌シリーズに突入。美空ひばりや千昌夫、石川さゆりなど昭和の名曲の数々が演奏されると、どの方も手拍子したり口ずさんだりしています。加山雄三の「君といつまでも」では、或るお客さんにセリフの部分を言っていただきました。加山雄三のものまねで鼻の脇をこすりながら「しあわせだなあ…」とノリノリで、みなさんは爆笑。ご本人も「加山じゃなくてシモ山雄三だぁ」と笑っていました。
美空ひばり「悲しい酒」のセリフは自治会長さんの奥様に読んでいただきました。
恥ずかしがっていらしたけれど、やさしい声で情のあるセリフ回しがすばらしく、拍手喝采。自治会長さんも奥様に熱い拍手を贈っていました。コンサートも佳境に入り、荒波模様の法被を意気に羽織って演奏したのは、マグロ漁船の船乗りのことを歌った「おいらの船は300トン」です。会場じゅうが大合唱となりました。
司会を担当した熊谷洋子さんが「昔、遠洋漁業に出てた方は?」と訊くと、男声数名の手がさっと挙がりました。あるご婦人は「もう亡くなったけど、うちの人も遠洋だったから思い出して胸がぐっと詰まっちゃった」と涙ぐんでいました。歌詞の最後「明日は故郷の気仙沼~」がひときわ大きく聞こえたのは、漁業に携わってきた方々の誇りの表れなのでしょう。終演後、「こういうの、生で初めて聞いた」「こんな目の前で、ぜいたくだねぇ」と演奏家に話しかける方々がありました。「でも、クラシックつーと敷居が高くてさ」との声に御供さんが「じゃあ今度は飲みながらやりましょうか?」と応えました。「ディナーショーもいいんじゃない?」と新しいアイディアも出てきましたよ。きっと実現させましょう!また呼んでくださいね。
さて、気仙沼ツアーはこのあと南郷地区のボラ宿若芽へと続きます。