今朝の気仙沼はおだやかな小春日和となりました。
カルテット・フィデスの気仙沼ツアー2日め、まずは東新城地区にある介護老人保健施設リンデンバウムの杜へとうかがいました。会場には60代から101歳まで、施設利用者さんおよそ60名がお集まりでした。窓からは明るい陽光が差し、風に舞う紅葉が見えています。開所して15年になるこちらの施設で弦楽の演奏が行われるのは初めてとのことで、利用者さんも職員さんもこの日をとても楽しみにしていたそうです。

ベート―ヴェン「メヌエット」やクライスラー「美しきロスマリン」のやさしい調べに、多くの方がからだを揺らしたり、指を小さく動かしながら聴いていました。
季節にちなんで「小さい秋みつけた」を演奏すると、懐かしそうな表情で口ずさむ方もいます。唱歌の「里の秋」を弾く時にヴァイオリンの熊谷さんが「どうぞみなさん一緒に歌いましょう！」とお誘いすると、ほとんどの方が一斉に「しーずかぁなぁ、しーずかなぁ」と歌い始めました。その声の大きさと力強さに演奏家が「わ！」とおどろいて笑顔がこぼれました。
その後もみなさんで「北国の春」「星影のワルツ」と続けて歌い、なんだか宴会のような雰囲気になりました。 演奏家たちは客席に大きな拍手を贈りました。
演奏が終わると「さよなら」「ありがとう」と手を振る方が次々と現れて、演奏家は握手で応えながら会場を後にしました。