仙台市東部、若林区六郷地区はかつてのどかな田園地帯でしたが、大きな津波被災のあった地区です。若林区社会福祉協議会と六郷市民センターが主催する地域の被災者サロン「いぐね・おぢゃっこの会」に復興コンサートをお届けしたのは今年の1月のことでした。
そのとき出演したのはソプラノ沓澤裕恵さん、ギター小関佳宏さん、ヴァイオリン駒込綾さんのトリオでした。すてきな演奏と楽しいおしゃべりが大好評で、また来てほしいとのラブコールをいただき、今回は同じトリオのアンコール出演です。六郷地区の65歳以上の方が参加し、さまざまな学びの場を設けている「六郷あすなろ大学」の公開講座としてクリスマスコンサートをお届けしました。
あいにく昨夜からは大荒れの天候、暴風雪警報のなか、沓澤さんと駒込さんは山形から車で駆けつけました。通勤時間帯の大渋滞に巻き込まれつつ到着が危ぶまれましたが、なんとか間に合いました。この天候ではお客さんも来られないかも…と心配しましたが、リハーサルしている間にみるみる空が晴れて路上の雪もいくらか溶け始めたようでした。おかげさまで会場には100名近い方が集まりました。
女性お二人はクリスマスにちなんで赤と緑のドレスで登場です。今朝、山形から来たと聞くと「あらぁご苦労さんだこと」としみじみとした拍手が起こりました。
広々とした会場にヴァイオリンの音色がのびのびと響き渡り、ギターの甘い低音とよく交じり合います。そこにソプラノの声が乗ってお客さんを包みます。オープニングの「踊りあかそう」と続く「オー・ソレ・ミオ」が終わった瞬間、「おおお」というため息と大きな拍手が沸きました。
本日のプログラムは武満徹、北原白秋＋山田耕筰、石川さゆり、クリスマスソングメドレーなどヴァラエティ豊かなものでした。さらに新しい試みとして絵本「スノーマン」の朗読と演奏のコラボレーションも披露されました。ジャズ風なアレンジの「ジングルベル」ではみなさんからノリのいい手拍子を頂戴しました。
終演後、「さすがだねえ」「こういうのって知らないで来てみたけどよかった。楽しかった～」「ギターのお兄ちゃん、めんこいねえ」などなど、いろいろとお声をいただきました。六郷の方はおおらかな印象と言いますか、ノリがよいので演奏する方ももいっそう楽しくなりますね。
どうぞみなさま良いお歳をお迎えくださいね。

ところで、このトリオは本日ダブルヘッダーでの演奏なのです。大急ぎで仙台市青葉区の旭ヶ丘市民センターへと向かいます！