お知らせ

荒井東「新春コンサート」開催しました

2015.1.13

800_3351新年あけましておめでとうございます。まだ松の内の今日、今年初となる復興コンサートをお届けしてきました。会場は仙台市若林区にある荒井市営住宅の集会所です。ここは若林区内最初の復興公営住宅で、およそ160世帯が入居する大規模な団地です。昨年の秋に町内会が発足し、住民の方々は新年を新しい家で迎えました。今年は新しいコミュニティづくりに本腰を入れていくことになることでしょう。新年のお祝いと新たな段階に入った住民への応援を兼ねて「新年コンサート」を開催しました。

800_1434出演は仙台フィルハーモニー管弦楽団有志による弦楽四重奏(ヴァイオリン宮﨑博さんと山本高史さん、ヴィオラ長谷川基さん、チェロ石井忠彦さん)です。会場にはおよそ35名の方が集まりました。最初は緊張していたのでしょうか、固唾をのむような雰囲気で演奏家の登場を待っていました。しかし、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の軽快な響きが鳴り出すと、空気がいっぺんにほぐれていきました。800_3388
進行役の長谷川さんの気さくな話しぶりにみなさんすっかりなごんで、楽器の話では「ほお~」と感心したり、うなづいたりしていました。
「ヴァイオリンが活躍する曲をやります」と言って始まったのはモンティ「チャルダッシュ」です。宮﨑さんと山本さんが交互に立ち上がって丁々発止のやりとり、さらに客席の中を歩き回って文字通り目の前で弾いて見せました。仙台フィル首席奏者同士による白熱の競演にみなさん大喜び。終わった瞬間、やんやの喝采が沸きました。800_3379
800_3413続いては「ちょっと趣向を変えて…」と宮城県の民謡「さんさ時雨」と北海道の民謡「ソーラン節」を演奏しました。身に染みこんだ民謡が弦楽になるとまたちがった風情で面白いものです。いつもよりやや哀愁を帯びて聞こえました。
「ムーン・リヴァー」「八十日間世界一周」の演奏では、ちょうどこれらの映画をリアルタイムで観た世代らしく、懐かしそうな表情で聞く方が多くありました。終わりに「川の流れのように」「上を向いて歩こう」を一緒に歌いました。
終演後、町内会長さんが「70年生きてきてこんなに贅沢な時間はなかったです。みんなもなんだか顔色がよくなりました(笑)。これから荒井東町内会はがんばっていきます」と語りました。800_3439
お客さんが帰るときに「いやあ、よかった」「ほんとによかった」と口々におっしゃっていました。まるで温泉帰りのようにすっきりとしたような、あるいは美味しいものをたっぷり食べたあとのような満足感にあふれた表情でした。喜んでいただけて私たちも嬉しいです。ありがとうございます。

仙台市内では今年度、復興公営住宅が次々に完成し、被災者の大移動が予想されます。新天地への希望と不安を抱える人たちへ、少しでも心安い楽しい時間をお届けできたらと願いながら復興コンサートはこれからも続きます。道のりはまだ長い、です。