お知らせ

石巻市みなと荘「再生」祝賀会へ

2015.4.19

1024_1956石巻市総合福祉会館みなと荘は、湊地区の子供からお年寄りまでが集う地域の拠点として活用されていた施設です。旧北上川の河口のすぐそばにあり、震災当時は津波で1階部分の天井まで浸水しました。その後は2階部分だけを使用していましたが、このたび別の場所に新しく建て直し、本日、再開記念のお祝いが開かれました。その名も「再生(リボーン)」です。

1024_1978 1024_1993穏やかな陽気に恵まれて、多くの人が集まりました。玄関前では記念式典が行われ、地元の青年が獅子舞を踊ったり、山形県鶴岡市から通うボランティアさんが餅つきしたりと、にぎにぎしい雰囲気です。
つきたての餅は参加者のみなさんにふるまわれ、演奏家も私たちスタッフもご相伴にあずかりました。ごちそうさまです。

さて、みなと荘へ復興コンサートをお届けするのは今回で3回目で、毎年この時季の恒例行事のようになってきた感もあります。本日の出演は、ヴァイオリン小川有紀子さんと小山あずささん、チェロ山本純さん(以上、仙台フィルハーモニー管弦楽団)、そして、まさに地元、石巻市湊地区在住のピアノ藤井朋美さんです。
小山さんは仙台フィルの新入団員で、今日が初めての復興コンサート参加です。いつものコンサートホールとは異なる環境での演奏にきっとドキドキしていたのではないでしょうか。
1024_2015式典の後は、石巻市立湊中学校吹奏楽部の演奏がありました。この地区は人口が減って、部員は現在9名になってしまったのですが、卒業生などサポートメンバーを加えて元気な演奏を披露しました。1024_2012
観客は自分の孫を見るかのように、演奏する生徒たちを目を細めて見守っていました。最後に『情熱大陸』を仙台フィルメンバーと共演して、大喝采を受けていました。

1024_2050その後、4年前から定期的に通って支援活動をしている鶴岡市のボランティアの方々の紹介がありました。物資の提供や瓦礫撤去に始まり、その後も側溝清掃や修理など、地域のニーズに沿ったこまやかで丁寧な支援を続けているのです。多くの人々の想いと努力が積み重なって今がある。この年月に交わされたであろう人と人とのやり取りが偲ばれ、頭が下がる思いがしました。
「これからも末永いおつきあいをお願いします」とみなと荘館長の蟻坂さんが言うと、鶴岡の方々は「はい、末永く来たいと思います」と応えていました。

1024_4930さあ、いよいよ祝賀会の締めとなる復興コンサートが始まりました。まずは小川さんと藤井さんの2人によるクライスラー『ベートヴェンの主題によるロンディーノ』、1024_4964
続いて小山さんと藤井さんによるモーツァルトのソナタK.301が演奏されました。春まっさかり、新しい門出を祝う今日の日にぴったりの明るい曲ですね。

1024_5009チェロの山本さんは「これまでやった2回の演奏会では、歌謡曲を含め、よく知っていて明るく楽しい曲を選んできました。でも、クラシック音楽は人の悲しみとか辛い気持ちも表現しています。人間にはそういう部分もありますよね」と、シューマン『詩人の恋』から3曲をピアノとの二重奏で紹介しました。男性が嘆いているような重々しい旋律に、観客はしんしんと聴き入っていました。1024_5027

変わって、ピアノの藤井さんが「じつは私も湊中学校出身なんです」と言うと、「ええ!」「あら~」と会場がどよめきました。「お祝いにこの曲を…」と、シューマン=リスト『献呈』を独奏しました。生徒さんたちもぐっと親近感が湧いて、先輩の演奏を聞き逃すまい!と集中して聴いていた様子でした。
1024_5065モシュコフスキー『2本のヴァイオリンのための組曲』は小川さん、小山さん、藤井さんの女性トリオで演奏されました。「さあ、女のたたかいですよ(笑)」と小川さんが紹介したように、勢いある掛け合いが力強く響きました。

最後は4人でドヴォルザーク『スラブ舞曲第2番』、ブラームス『ハンガリー舞曲第6番』で締めました。こういう曲は東北の人になじむのかもしれませんね、身体を揺らして聴いている方がけっこういました。1024_51061024_5076

演奏後は記念写真やサインを求める人があり、「きっとまた来てくださいね」「待ってますから」との声に送られ、演奏家も「また呼んでくださいね!」と館長さんに念押しして会場を後にしました。

みなと荘がコミュニティの拠点として、末永く地域の方に愛され、1024_1994
たくさんの人が行きかう、活き活きした場所になりますように、と願います。
また、お会いしましょう。