お知らせ
祝・再開!仙台市南光台市民センターへ
- 2015.4.18
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今日は「南光台市民センター開館記念 チューリップコンサート」が開催されました。
震災の影響で、全壊・取り壊し、建て替えとなった仙台市泉区にある南光台市民センター。今年3/28に新しい建物になって再開。オープニングセレモニーにあわせて開館記念復興コンサートを、と依頼をいただいたのは昨年4月でした。この日、前半に登場した合唱団体4グループ[カナリヤ会、♪Harmony♪、南光台コロ・フィオーレ、コール・ウィング]も、この4年間、プレハブの仮の市民センターや南光台コミュニティセンター、また隣の地区の市民センターで練習するしかない状況でした。南光台地区の皆さんにとっては、待ちに待った新市民センターの開館です。
出演はDATE ENSEMBLE(ダテ・アンサンブル)。今日はいつもの弦楽四重奏+木管五重奏に、コントラバスが加わった十重奏バージョン。メンバーは仙台フィルハーモニー管弦楽団から、ヴァイオリン ネストル・ロドリゲスさん、山本高史さん、ヴィオラ 長谷川基さん、チェロ 吉岡知広さん、コントラバス 黒江浩幸さん、フルート 戸田敦さん、オーボエ 木立至さん、クラリネット 千石進さん、ファゴット 海野隆次さん、ホルン 齋藤雄介さんです。メンバーの中には、会場となった南光台市民センターから徒歩数分にお住まいの方もいらっしゃったり、またここ南光台は、仙台フィルの活動拠点である日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)から、一直線に車で5分ほどの立地だったりと何かとご縁を感じます。
多目的ホールとはいえ、軽体育館のような会場はとても広く、天井も高くて、十人の演奏者が載ることのできるステージも用意されていました。朝に会場に到着すると、既に舞台には地元の「チューリップの花を咲かせ、未来へ!」プロジェクトの皆さんが、この日のためにきれいに咲かせてくださったチューリップが並べられ、そこだけ一気に春が来たようでした。
コンサートはルロイ・アンダーソン「舞踏会の美女」で華やかに始まりました。その後はヴァイオリンのネストルさんの独奏による「タイスの瞑想曲」、ホルン齋藤さんの独奏による「亡き王女のためのパヴァーヌ」のほか、「ハンガリー舞曲第5番」、昭和演歌メドレーなど、耳馴染みのある名曲たちが、豪華なミニ・オーケストラサウンドで演奏されました。最後は御祝いの気持ちを込めて、これまた華やかなヨハン・シュトラウス2世作曲の喜歌劇「こうもり」序曲が演奏されました。
250名以上のお客様は始めは少し緊張されていたかもしれませんが、すてきな音楽と、ヴィオラの長谷川さん、オーボエの木立さんの軽妙な司会に、次第にリラックスされていったようです。楽しいお話しや、楽器紹介の妙技にはあちらこちらから笑い声が起こりました。普段の定期演奏会などでは、演奏者の方の声を直に聞くことはまずありませんので、新鮮だったのではないでしょうか?
最後の「こうもり」序曲の華やかな幕引きには、一瞬の間の後、盛大な拍手と「…ぅわっ?!」「すごいねぇ!!」とあちこちから歓声があがりました。クラシックは堅苦しいもの、敷居の高いもの、と思っていらっしゃる方が、まだまだ多いのも事実です。けれども、こんな風に目の前で演奏を聴いていただき、「ぅわ~っ」「すごいっ!」とついつい口を突いて出てしまうような出会いを、一度でも経験された方は、きっと次から、クラシック音楽に対するイメージ自体が、少し変わっているだろうなと思うのでした。
アンコールでは「花は咲く」を、1部でコーラスを発表された地元の合唱団のみなさんと、会場のみなさんと共に演奏しました。リハーサルでは心配になったテンポでしたが、本番では全く心配なく、合唱団のみなさんが来場者のみなさんをリードしてくださいました。混成合唱団のみなさんが三部合唱にしてくださったお陰で、なんとも音楽に幅が出て、より素敵な響きが会場いっぱいに拡がりました。歌い終わった後は、とてもとても大きな拍手がしばらく止みませんでした。
この日までご準備くださった南光台市民センターのスタッフのみなさま、チューリップやバルーンアート、お花など、会場の飾りつけをされた地元団体やジュニアリーダー「南光台アドバルーン」の皆様、本当におつかれさまでした。これからも、たくさんの方が行き来し、歌声や笑顔が溢れる市民センターでありますよう、お祈り申し上げます。