お知らせ
気仙沼・南郷コミュニティセンターへ
- 2015.4.21
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今日は、風のとても強い日でした。仙台を拠点に東北各地で演奏・指導活動をされているクラリネット菊池澄枝さん、フルート櫻井希さん、ピアノ鷲尾恵利子さんによる“ジャスミントリオ”と共に「そよ風コンサート」と題して、今日明日は気仙沼市内を訪問しています。
1カ所目は、気仙沼で一棟目となる復興公営住宅「南郷復興公営住宅」敷地内の、南郷コミュニティセンターへ。ここは、震災までは南気仙沼小学校だったところです。1階の天井まで津波で浸水し、校舎は使えなくなりました。もちろん周囲の住宅も同じ高さまで浸水、被災し、多くの犠牲者が出ました。しかし現在では、その南気仙沼小学校跡地に3棟の住居棟が建てられ、近隣の地区も含む南郷地区全体の、コミュニティセンターが建ちました。公営住宅の周りも、多くの家々が修繕され、今となっては被災直後の面影は、こちらから探さなければ目に入ってきません。
今日は、この南郷コミュニティセンター2階集会室を会場に、「ジャスミントリオ そよ風コンサートin南郷」を開催しました。復興公営住宅にお住まいの方だけではなく、近隣の南郷1区、2区にお住まいの方にもぜひどうぞご一緒にと案内をさせていただきました。
クラリネットの菊池さんの司会で「みなさん様々なところからこちら復興公営住宅にいらっしゃって、漸く落ち着かれたところかと思います。初めましてのご挨拶の気持ちを込めて…」とエルガー「愛のあいさつ」からコンサートは始まりました。
今回は、それぞれの楽器紹介を兼ねたソロコーナーもありました。中でも、フルートの櫻井さんが選んだのはフランスの作曲家ボザの作品。ボザなんて聞いたことのない名前の作曲家…とみなさんが不安な顔をしたのとは裏腹に、始まるとどこかで聴いたことのあるようなメロディです。「日本の民謡の主題による5つの歌」というその作品は、「相馬流れ山」「さんさ踊り」など日本人には馴染みのある民謡とクラシックの要素が出会って生まれたような素敵な小品でした。
最後には「北国の春」を皆さんにも歌っていただき本編を閉じた後、アンコールには吉永小百合&橋幸夫のつもりになって「いつでも夢を」を演奏しました。終わった後のみなさんの笑顔に、こちらもほっとしてお見送りをしていると、 帰り際「どうぞ、一生懸命おやりなさいね」と手を握ってくださったおばあちゃんがいらっしゃいました。お話を伺うと、なんと97歳でお一人暮らしとのこと!その元気さを分けていただいて、私たちも続く夜公演も頑張れそうな気がいたしました。