今日も東松島市(旧矢本町)にお伺いしました。昨日伺った「花いちもんめ」さんと同じく、社会福祉法人 慶和会が運営するデイサービス「大曲花いちもんめ」が会場です。

こちらはより海に近い大曲(おおまがり)地区にあり、東日本大震災では施設の屋内にも水が入り込みました。ふと気付いた時には、水が静かに徐々に上がってきていたそうで、利用者・職員全員が車に乗り込み、赤井の「花いちもんめ」に避難し、全員が無事だったそうです。もう少し気付くのが遅れていたらと思うと、返す言葉がありません。

メンバーは昨日と同じ、ソプラノ 齋藤翠さん、フルート 山田みづほさん、チェロ 明珍幸希さん、ピアノ 掛田瑤子さん。齋藤翠さんと掛田瑶子さんは、仙台オペラ協会にも所属されています。

昨日より心なしか、じっくりゆったりとしたテンポの歌の数々。90代以上の方が多いこともあり、その方たちの耳にもより音楽が届くように、という演奏者のみなさんの心遣いでもあったのかもしれません。

なかでも薄紫色のきれいなお洋服を着たおばあさんは、後半、「ふるさとの四季」「かあさんの歌」「ともしび」「カチューシャ」など懐かしい歌のプログラムが続くと、スタッフの方たちも驚かれるほどに、ずっと嬉しそうに歌っていらっしゃいました。音楽に触れたのは、久しぶりのことだったのでしょうか。何か、少女の頃に一瞬にして戻られたような、その楽しそうな様子に、音楽の力と、音楽の役割りのようなものを、改めて教えられた思いでした。