お知らせ

気仙沼・おひさま保育園へ

2015.4.22

IMG_6740-IMG_6721-ジャスミン・トリオ「そよ風コンサート」2日目は、国道45号線からすぐのところにある、おひさま保育園に伺いました。

震災当時は南気仙沼・南郷にあり、120人の子供たちが通っていたおひさま保育園。昨日行った南郷復興公営住宅の場所にあった南気仙沼小学校の校舎に全員が避難し、子供たちは皆助かったものの、当時の理事長先生が園舎と共に津波の犠牲となり亡くなりました。

昨日南郷コミュニティセンターでお会いした南郷地区自治会長の伊藤さんは、あの夜、おひさま保育園の子供たちと同じ教室でひと晩を過ごしたそうで、「子供たち、まだ1,2歳の子も、みんな泣いたりしないで、ちゃんと先生たちの言うこと聞いて…あの時はほんっとにみんな、えらかったんだよぉ…」と教えてくれました。

あの夜、気仙沼は鹿折地区で火事が起こり、空は真っ赤でした。「(南気仙沼小一帯も)もう、まるで地獄みたいだった。だから子供たちには一切外の様子は見せなかったの。だけど、あの時は本当にみんな騒いだりしないで、がんばったねぇ…その後、ここ(南気仙沼小)も危ないっていうんで自衛隊のヘリコプターで総合体育館に移って…」と現在の理事長先生。亡くなられた前理事長の姪子さんにあたります。

IMG_6640-そんなお話を伺った事務室の外では、子供たちが本当に元気いっぱいに遊んでいました。「いIMG_6644-ろんなボランティアさんが来てくれるものだから、最初のうちは知らない大人が来るとビクビクしていたのが、いつのまにか、大人は何か楽しいことをしに来てくれる人とか、プレゼントを持って来てくれる人だと思うようになってしまって…」後から到着したカメラマンの佐々木隆二さんが、園庭に入ってくるなり「おじさん、遊ぼう!!」と寄って行く子供たち。その人懐っこさにはこちらが驚くほどでした。

IMG_6668-今日のプログラムは、子どもたちが飽きずに楽しめるようにと、知っている曲も多くそろってIMG_4454-いたのですが、フルートの櫻井希さんはソロで、吉松隆「デジタルバード組曲」を入れるチャレンジ。現代曲ですが色んな鳥の声が、あっちから、こっちから、こんなところから、聴こえてくるようなかっこいい曲なのでした。子ども達は、ぽか~んとしながらも食い入るように聴いています。終わると拍手喝さい!そして後半は一緒に歌える歌が並びます。「さIMG_6711-IMG_4448-んぽ」が始まると、3,4歳の子どもたちがニコニコしながら立ち上がり始めました。歌が始まると、みんなで踊り始め今度はこちらがびっくり。体操のような、ダンスのような…でもどの子もとっても楽しそうです。「Let It Go」の人気もまだ不動。でも暑くなってきたので、そろそろこの曲を聞くのも季節的に終わりかな…。

IMG_4518-IMG_4523-コンサートが終わって、演奏家が着替えた後に、理事長先生に声をかけられました。ボランティアの方が作詞作曲してくれた園歌があるのだけれど、先生たちのピアノ伴奏ではなく、今日の演奏家のみなさんにこの歌を録音してもらえないだろうか、とのこと。「もちろんいいですよ!」とのことで、フルート、クラリネット、ピアノでの演奏をその場で録音しました。「ありがとうございます!」と大感激の理事長先生。これからの行事では、ジャスミン・トリオの演奏に合わせて、子どもたちの歌声が聴こえるかもしれません。

IMG_6636-IMG_6655-おひさま保育園は、認可外だからこそできることがある、必要とされている、というお母さん、お父さん方からの強いニーズを感じて、公的支援のないまま頑張っている保育園です。震災後、倉庫を借りて始まった今の保育園。入園希望者が増え、園舎も広げているそうです。私たちも引き続き、頑張っていらっしゃる理事長先生はじめ、先生方、子どもたちを継続して応援して行けたらと強く思いました。