お知らせ

支倉サロン「歌おう『花は咲く』&声楽ミニコンサート」

2015.4.17

IMG_8955sIMG_9629s今年度初めての復興コンサートは、仙台市青葉区にある西本願寺仙台別院 東北教化センターを会場に開かれている、支倉サロンに伺いました。

IMG_8967s仙台市青葉区を中心に、太白区や若林区など、1時間以上かかるような地域からも、みなし仮設にお住まいのみなさんが月に一度楽しみに集まっていらっしゃるのが支倉サロンです。ご出身は石巻、南三陸、東松島、釜石など沿岸部の他、仙台市内で自宅が全壊された方や、福島から原発事故の影響で避難を余儀なくされた方もいらっしゃいます。西本願寺東北教区ボランティアセンターと仙台市社会福祉協議会支えあいセンターあおばが運営しています。

IMG_9428s支倉サロンには昨年12月、弦楽四重奏で伺いました。今回のコンサートは、ボランティアセンターからの思いがけない相談から始まりました。支倉サロンでは健康体操や手芸品づくりなど、その時々によって様々なお楽しみがあるのですが、参加者の方にこれからサロンでどんなことをしたいかアンケートを取った中に、NHKの復興支援ソング「花は咲く」を上手に歌えるようになりたい、という要望があったのだそうです。東北教区ボランティアセンターの前田さんから「歌の先生を派遣していただいて、レッスンしていただくなんていうことは、可能でしょうか…」と電話をいただいたのでした。

IMG_8975sIMG_9457s復興コンサートでは、今までなかったご要望でしたが、それならばとこの1年半、宮城野区で開催してきた「花は咲く」合唱団を指導いただいたソプラノの齋藤翠さんにご相談し、レッスンとミニコンサートを組み合わせた復興コンサートとすることにしました。ピアノは掛田瑶子さんです。お二人とも仙台オペラ協会演奏部に在籍されています。

IMG_8993s「花は咲く」が難しいと感じるのは、音域の広さとリズムの少しだけ難しいところがあるところ、でしょうか。たった40分のレッスンで、普段から歌っていらっしゃるわけではない方たちの声が、どのくらい変わるものだろうか?と半信半疑なところもありましたが、予想以上にたくさんの方から参加申込があり、みなさんの意気込みが伝わってきました。IMG_8959s

IMG_9570sIMG_9487s支倉サロンでは、仙台別院の艮(はやし)輪番のお話、新年度ということで支えあいセンターあおばの新しいスタッフの紹介がありました。続いて講師のお二人の紹介につづき、さっそくレッスンが始まると、みなさん予想以上に真剣!!講師もスタッフも、すっかり驚かされました。「響きを大人っぽくするために、口は横にではなく、縦に開けてみましょう。指2本分くらい、開けられますか?」翠さんのアドバイスに、老いも若きもまずはチャレンジ。するとIMG_9450sIMG_9495s少しずつですが、本当に声がどんどん変わるのがご自分たちでも分かるようでした。参加者のみなさんに混じって歌っていらした、西本願寺仙台別院の艮(はやし)輪番も、ボランティアセンターのスタッフも、なかなか滅多にない体験を参加者のみなさんと一緒に参加されています。40分が終わる頃には、一番最初に歌った声とはまるで別な人たちのように、音量も言葉も響きも伝わる歌に変わっていました。心なしか体もぽかぽかしてきましたね。

IMG_9533sIMG_9010s休憩を挟んで、後半は25分ほどのミニコンサート。こちらは好きな飲みものを飲みながら楽しみました。翠さん、掛田さんがドレスに着替えて登場すると、「あら!」「素敵なドレスね~!」とみなさんから声が挙がり、会場が一瞬にして華やぎました。プログラムは、ご年配の方が多いと伺っていたこともあり、「かあさんの歌」や「四季のうた」など懐かしい歌が揃いました。プッチーニ「私のお父さん」の後は、みなさん拍手をするのもしばらく躊躇われたほど。しばらくの間の後に大きな拍手と「…すごいねぇ?」とその声量と声の美しさに驚いた様子でした。「川の流れのようIMG_9584sに」で本編が終わると、「それでは、今日のIMG_9569s最後はみなさんで、先ほどレッスンした『花は咲く』を歌いましょう」と促され、会場の全員で「花は咲く」を歌いました。翠さんの歌を聴いて、また刺激を受け取ったみなさんの声は、自信を得て気持ちよく会場に響きました。

歌い終わったみなさん、とてもよい表情でした!歌は人を元気にするのだな、ということを、改めて実感した一日でした。復興コンサートとしてもチャレンジでしたが、翠さん、掛田さんのお力添えで、みなさんに喜んでいただくことができました。ありがとうございました!IMG_9623s