お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_9月

2015.9.9

仙台市音楽の力による震災復興支援事業
仙台市宮城野区被災者交流支援事業
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災移転地区、または津波被災地域に
お住まいのおおむね60歳以上の方々と、毎月1回合唱の練習をしています。

秋の長雨が連日続く仙台、肌寒い日も増えてきましたね。汗だくになってふうふう言いながらやっていた前回の練習がなんだか遠い昔のようです。台風の気配をはらむ風雨が吹き付ける今朝でしたが、34名のメンバーが集まり、活気に満ちた練習会になりました。
DSC_0036ウォーミングアップに体操を指導するのは、今回が初登場の柴田さん。よく呼吸ができるように胸を開く体操や恒例の“健口”体操をリードしていただきました。新しい合唱団メンバーも増えましたし、スタッフ側でも新しい人が参加すると新鮮な雰囲気になってよいものですね。

DSC_0041さて、今日も歌の講師は仙台オペラ協会の齋藤翠さん、伴奏は佐藤亜紀さんです。まずは『蘇州夜曲』を練習しました。おなじみの流行歌ですが、二部合唱となると一筋縄では行かないようです。男声を含めたアルトパートのみなさんはメロディがなかなか覚えきれない様子で、翠さんと一緒に何度も繰り返していました。一方、主旋律のソプラノさんは時折、主旋律をアルトに譲ってヴォカリーズで修飾する役割に回るので、そのあたりでちょっと苦労しているみたいですね。DSC_0042
「李香蘭の歌い方は独特なのでそれは真似せず、みなさんは合唱用の歌い方をしましょう」と翠さんが言いました。流麗なメロディにつられて機嫌よく歌っているとつい声を震わせたりして李香蘭ふうになりがちです(知っている世代は特に)。そこを我慢して、楷書体のようにきっちりと音符に忠実に歌おう、というわけです。ハーモニーはまだまだ不安定なのですが、それでも時々心地良い響きが生まれる瞬間があります。何度も歌っていると、ゆったりとした微風が会場のなかに吹いているような気がしてきました。憂鬱な雨だったのに、むしろ嫋嫋とした風情がいいんじゃない?と感じるほどになりました。DSC_0039
休憩をはさんで、後半は『カチューシャ』の練習です。さきほどのたゆたうような旋律から一転、ぐいぐいと進むそりのような力強さがある歌です。みなさんの歌う姿勢もさっきまでとは違って少し前のめり、居ずまいが違っていました。
これも二部合唱なので、慣れてないメロディには四苦八苦。翠さんが「主旋律につられないで歌うコツ」を伝授して、アルトさんは「おー」と感心していました。次回からその秘策が活かせるといいですね。次回まで忘れないでくださいね!

DSC_0046練習後にちょっとしたサプライズがありました。DSC_0496
翠さんも亜紀さんもこの夏ご結婚なさったということで、合唱団からお祝いに歌と花束のプレゼントがありました。 宮城県では伝統的に結婚式で歌われてきた民謡『さんさ時雨』を全員が歌いました。お祝いされたお二人も、お祝いしたメンバーもとても嬉しそうです。ここでも歌は人びとの心をつなげてくれることを実感しました。御年80を超える合唱団の最長老が「仮設住宅に来てくれて歌を教えてくれたこと、忘れられねなぁ。ありがとう」と 言ったときは、ぐっと胸に迫るものがありました。翠さん、亜紀さん、どうぞ末永くおしあわせに!!DSC_0499