お知らせ

東松島市大曲小学校へ【復興コンサート第500回】

2015.9.28

DSC_0076今日は東松島市立大曲小学校へうかがいました。今年で開校60周年というおめでたい節目に、仙台フィルメンバーによるDATE ENSEMBLE(伊達アンサンブル)が復興コンサートをお届けに行きました。メンバーはヴァイオリンのネストル・ロドリゲスさんと山本高史さん、ヴィオラ長谷川基さん、チェロ吉岡知広さん、フルート戸田敦さん、クラリネット千石進さん、オーボエ木立至さん、ファゴット海野隆次さん、ホルン齋藤雄介さんの総勢9名の豪華な編成です。
DSC_0072真っ青な青空が歓迎してくれているようです。暑いくらいの陽気に恵まれ、体育館には全校児童と先生方、保護者の方などおよそ300人が集まりました。
黒いスーツに身を包んだ演奏家がさっそうと登場、『舞踏会の美女』で華やかに幕開けです。小さなオーケストラが奏でる豊かで軽やかなハーモニーがぱーっとひろがって、子供たちは「お、これはいつもとちがうぞ」というような反応を見せていました。目をみはったり、膝立ちになったりして興味津々の様子です。見守っていた大人も「わ…本物だ」とうっとりしていました。
続いて、楽器紹介がありました。進行役の長谷川さんが一つ一つの楽器について「これは何ていう楽器かなあ?」と子供たちに質問したり、わかりやすく解説をします。演奏家がそれぞれに短いフレーズを演奏すると「あ!これ知ってる~」と子供たちはすぐに歌い出します。その様子が可愛くて演奏家も思わず顔がほころんでいました。反応がいいと演奏家はうれしいものです。
アンダーソンの『シンコペイテッド・クロック』では「一緒に演奏してみたいひとー!」とのお誘いに、「はーいはいはいはい!」と猛烈な勢いで手を挙げる子がたくさんいて、演奏家は圧倒されていました。2人が選ばれて、初めてのウッドブロック演奏に挑戦しました。楽器の持ち方や叩くポイントなどを教わって、ちょっとひょろひょろしたけども、リズムキープをがんばりましたね。
さて、このチームの十八番のひとつにサン・サーンスの『動物の謝肉祭』があります。木立さんがナレーションを担当し、ご当地ネタがちりばめられた楽しい作品です。今回は大曲小学校60周年のお祝いに動物たちが集まって来るという趣向でした。後ろからカッコウが飛んで来たり、小鳥が飛び回ったり、次々と登場する動物たちを子供たちはイメージできたかな?
大曲小最後は演奏家が子供たちの間に入ってチャイコフスキー『花のワルツ』を演奏しました。今にも触れそうな近さで演奏家を見て、音の振動を肌で感じ、DSC_0074美しい旋律を聴く体験はそうそうないでしょう。瞳をきらきらさせて見つめる姿がたくさんありました。アンコールでは、子供たちが立ち上がって演奏と一緒に校歌を歌いました。演奏がかき消されそうなぐらいに元気でのびのびとした歌声でした。 子供も演奏家も先生方もみんなにこにこと笑顔になった楽しいコンサートでした。

宮城県東松島市は津波で甚大な被害があった地域です。海岸から2.5㎞離れたこの学校にも津波は押し寄せ、校舎の1階部分を呑み込んだのです。体育館の脇に掲示された津波浸水高1.9mというサインが、当時の被害の様子を想像させます。子供たちの未来が穏やかで希望あるものであってほしいと改めて強く思いました。みんな元気で、また会おうね!

2011年3月26日より続けてきた復興コンサートはこのたび500回を迎えました。
音楽を通じたこのすべての出会いに、心より感謝申し上げます。
どうもありがとうございます。