お知らせ

泉中央南「歌声サロン」始めました

2015.10.2

仙台市泉区で唯一の復興公営住宅である泉中央南市営住宅では、
町内会設立準備会の主催で、2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは、泉区まちづくり推進課と仙台白百合女子大学有志と協働して
このサロンをコーディネートしています。

昨夜の強風と雨が止み、明るい晴天となった今日は泉中央南市営住宅にうかがいました。今年度の後半はここで毎月一回、歌とお茶を楽しむ「歌声サロン」を開催する運びとなったのです。他の市営住宅では何度かやっているのですが、初めての場所ではいつもどきどきしますね。
さて、歌のリーダーはメゾソプラノ後藤優子さん、ピアノ伴奏は田村聡子さんです。今日の青空のように明るく朗らかなコンビです。会場には住民の方や各方面の支援団体の方、あわせて約30名が集まりました。
DSC_0087まずはゆっくりと首を回して準備体操です。「声を出すには時間が掛かります。じっくりと筋を伸ばしましょう」と首や肩、体側や顔のストレッチを行いました。そして、「咳をすると横隔膜の位置が判りますよ」とのアドバイスで、みなさん横隔膜を意識しながら深呼吸をしたり、そのほか脱力の方法や歌うときの姿勢など、ちょっとしたコツを教わりながら体をほぐしました。血行が良くなった感じがしますね。
発声練習では「笑う門には福来たると言いますので、“ハ、ハ、ハ、ハ、ハ~”でやりましょう!」とやってみると、不思議なものでなんだかだんだん楽しくなってきて最後には本当の笑い声で発声していた方もいたようです。
DSC_0089季節にちなんだ唱歌や懐かしい歌謡曲などを歌います。歌う前にみんなで歌詞を音読して、言葉の意味や雰囲気を確認しました。曲が替わるたびに後藤さんが見本を示します。すると、そのたびにご参加の方々が「ほぉ~」「うわ~」「ほんと良い声ねえ~」と聞き惚れているのでした。みなさん積極的に歌ってくださるので、前にいる後藤さんと田村さんはその声の溌剌さに「わ、すごい!」とおどろいていたほどでした。歌うたびに参加者の笑顔がいきいきしてくるのが見て取れます。
後藤さんは発音や発声のコツなどをわかりやすく、かつ面白おかしく解説するので、みなさんずっと笑いっぱなし。さらに歌も立て続けで5曲も歌ったので、会場の温度も上がってきたように感じました。さて、そろそろお茶にしましょうか。DSC_0091泉区にある仙台白百合女子大学の学生さんがお茶を提供してくださいます。サークル「White Lily」メンバーがコーヒーを、「Afternoon Tea」メンバーが紅茶を担当し、毎月おすすめのものを淹れてくれることになりました。ありがとうございます。今日はハロウィン・ブレンドのコーヒーとマスカットフレーバーの紅茶が供されました。歌声サロンの参加者はほとんどが高齢者ですので、「夜、眠れなくならないようにカフェインの少ないものを用意しました」と、学生さんたちはやさしい気遣いを見せていました。この市営住宅の周辺にはお店も喫茶店もないので、このサロンでくつろいでいただけたらいいなあと思います。
お茶とお菓子を味わいながら、みなさんには後藤さんの歌も一緒に楽しんでいただきました。「アンコール!」の拍手喝采で、最後に不朽のご当地ソングである「青葉城恋唄」をしっとりと歌いました。目を閉じてしみじみと聴いている方の姿がありました。ここのすぐ近くには、広瀬川ならぬ七北田川が流れています。水面に日差しが反射してきらきらと輝いていました。
DSC_0093この市営住宅に入居した方は、そのほとんどがよその土地から移転してきた人びとです。知らない土地で住まいを得て、知らない人たちに囲まれて暮らすのですから、きっと不安や心配もあることでしょう。時にはこの歌声サロンで大きな声を出して歌って笑って、ほんのひとときでもほっとしていっていただければさいわいです。新しいお友達を見つける機会にもなるといいですよね。また来月、よろしくお願いします。