お知らせ

「街なかコンサートin仙台トラストシティ」開催しました

2015.10.3

復興センターは仙台クラシックフェスティバル2015「街なかコンサート」の
企画運営を担当しています。
2011年の春から初夏にかけて多くの音楽家有志が
連日にわたって復興コンサートを行なった思い出の場所で、
演奏する人も、演奏を聴く人も、音楽が本来持つみずみずしい力に触れて
元気になっていただきたいと願って開催いたしました。

◆ 街なかコンサート in 仙台トラストシティ《クレモナからの贈りもの》◆
【日時】10月3日(土) 開演14:30
【会場】仙台トラストタワー1階エントランスホール
【出演】相馬子どもオーケストラ有志、FTVジュニアオーケストラ有志、
仙台ジュニアオーケストラ有志、長谷川基(仙台フィルヴィオラ奏者)
【曲目】モーツァルト『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』第一楽章
レスピーギ『シチリアーナ』、映画「耳をすませば」より『カントリーロード』他
(写真提供:森トラスト株式会社仙台支店)
043 059 071 086

088 095 099 104

イタリア中部にある街クレモナは、16世紀以来、ストラディヴァリ、グァルネリ、アマティなどヴァイオリン製造に長けた一族が暮らした古都です。当時作られたヴァイオリンは400年以上を経た今もなお、素晴らしい音色を響かせています。
その街にあるイタリア国立クレモナ弦楽器製作学校は、毎年数多くの優秀な楽器職人を輩出しています(ジブリ映画『耳をすませば』で主人公の男の子が留学しようと目指していたのがこの学校です)。東日本大震災当時、副校長だったジョルジォ・スコラーリ氏は東北の惨状を知ると、復興支援としてヴァイオリン4本とヴィオラ7本を東北の若者によるオーケストラ団体に贈ってくださいました。これらの楽器は、現役の職人がかつてこの学校の卒業作品として製作したものですが、その中には、現在“名工”と言われる職人の手による楽器も含まれています。
相馬、福島、仙台と、3つの土地にそれぞれ贈られたこれらの楽器が、今日ここで初めての共演を果たしました。

会場にはリハーサルの時間から多くのお客様が集まり、用意した80席はあっという間に満席となりました。立ち見の方もたくさんいらして、この演奏会への熱気が感じられるほどでした。
全体合奏のほか、相馬、福島、仙台それぞれのチームがアンサンブル演奏を披露しました。チームごとのカラーの違いが見えて、お客様にも楽しんでいただけたのではないかと思います。
アンコールでは『故郷』を、全員の演奏に合わせてお客様にご一緒に歌っていただきました。会場が温かな一体感に包まれて、コンサートは無事に終了しました。
3つのジュニアオーケストラにとって初めての共演(相馬と福島の子にとっては仙台での初演奏)はとても緊張する体験だったでしょう。でも、たくさんのお客様から大きな拍手喝采と笑顔をいただいて、若き音楽家たちは少し誇らしそうでした。またいつかどこかで再会の響きをお聞かせできるといいですね。

【協力】相馬子どもオーケストラ事務局、一般社団法人エル・システマジャパン
FTVジュニアオーケストラ事務局、仙台ジュニアオーケストラ事務局、
公益財団法人仙台フィルハーモニー管弦楽団、森トラスト株式会社仙台支店