お知らせ
カワノカミ音楽会vol.2
- 2015.12.12
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音楽の力による復興センター・東北は石巻・川の上プロジェクトと協働し、
今年度、季節に一度の「カワノカミ音楽会」を開催しています。昨日の大雨がうそのように今日は空の青さが目にまぶしい快晴となりました。この時季にしては異状な暖かさですが、有り難く頂戴することにしましょう。
さて、9月から始まった「カワノカミ音楽会」ですが、今日はその第2回。
出演は山形からソプラノ沓澤裕恵さんとヴァイオリン小林梨絵さん、仙台からギター小関佳宏さんによるご新規トリオです。「おやこでクリスマスコンサート」と銘打ち、小さなお子さん向けのプログラムをお届けしました。
冬至前のこの時季は日暮れが早くて、午後3時を過ぎると夕方気分になってきます。夕方4時からのコンサートは、小さな子供にしてみれば夜のお出かけみたいにちょっとワクワクする体験になるかもしれませんね。
会場にはおよそ20名の方が集まりました。ねんねこにくるまれた赤ちゃんもよちよち歩きの子も小学生もいます。子供たちを見守るようにしながらご近所のおばちゃんたちも開演を待っていました。
オープニングは映画『マイフェアレディ』から「踊り明かそう」。うきうきするような弾んだリズムと高らかな歌声で華やかに開演しました。子供たちは演奏家のドレスにもすっかり目を奪われていました。
木造のこの会場にヴァイオリンとギターの音がやわらかくまろやかに響きます。クリスマスソングのメドレーでは「ジングルベル」「荒れ野の果てに」「もろびとこぞりて」など、次々に現れる歌を一緒に口ずさんでいる方もいました。ずっと体を揺らしている方もいて、「ああ、本当に音楽が好きなんだなあ」とその姿を見て思いました。
コンサートの中盤では絵本の朗読がありました。あいはらひろゆきさん作『クリスマスプレゼント』。クリスマスの晩、女の子がお母さんの帰りを待っているお話しで、沓澤さんの朗読に小関さんがギターで伴奏をつけました。あの子たちにお母さんの大切さが感じてもらえるといいなあと思いました。
今日はいつにも増してアットホームな雰囲気で進みました。演奏家がお客さんに話かけると子供たちもおばさま方も気さくに応えます。「こぢんまり」って温かくてすてきなことですね。このひとときが、手のひらに載せた宝物みたいに感じました。
アンコールでは、みなさんに一緒に歌いましょうと誘いました。すると、いちばん前の席にいた小さな女の子が「わたし、歌う!」と立ち上がりました。演奏家はその子を大歓迎し、一緒に童謡の『雪』を歌いました。あまりに愛らしく微笑ましい光景に、大人たちはもうメロメロです。みごと歌い上げた女の子はすっかりゴキゲンの様子で、沓澤さんとハイタッチして席に駆け戻りました。
最後は「きよしこの夜」をみんなで歌いました。クリスマスコンサートは祈りに満ちてしっとりと終演しました。子供たちから「あぁ、たのしかったぁ」の声が。おかあさんやおばさま方からは「良かったです」「次回も楽しみ」との言葉をいただきました。
復興コンサート活動を続ける中でつくづく感じることは、この時間はお客さんと演奏家が一緒につくりあげる、協働作業の賜物であるということです。
今晩も温かく素敵な時間をありがとうございました。今年もいろいろありましたね。どうぞみなさま、よいお歳をお迎えくださいますように。