お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_1月

2016.1.22

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では、
町内会主催のサークル活動として、当住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、 みんなで歌い、
おいしいコーヒーとおしゃべりを楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、
音楽リーダーとなる音楽家をコーディネートしています。

清々しい青空ですが、耳が痛くなるような冷たい風が吹き付ける冬の午後、今年最初のうたカフェが開催されました。会場には18名の方が「今年もよろしくね」と、明るい笑顔を見せて集まりました。この会を楽しみにしていらした様子がうかがえます。
今日も仙台オペラ協会のソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ可沼美沙さんが音楽リーダーを務めます。
DSC_0533いつもと趣向を変えて、岩瀬さんの歌で幕開けです。参加者のみなさんは最初「あれ?」と不意を突かれた様子でしたが、すぐに魅せられたように聴き始めました。曲は『春の海』。1月も下旬になり、お正月気分はとうに抜けた昨今でしたが、また新しい春を寿ぐ、華やかながらしっとりした雰囲気が戻ってきたように感じました。歌い終わると、「ほう」とうっとりしたようなため息が客席から聞こえました。
DSC_0536その後、軽い準備体操と発声練習をして、みんなで歌う時間となりました。松本さんは新春一回目の景気づけとして『どっこいしょ節』を用意してきました。歌詞のそちこちにある「どっこいしょ」という言葉を「みなさん、音程は気にせず、遠慮せず恥ずかしがらずに大きな声で言ってみましょう」との指示がありました。DSC_0542
松本さんが「どぅぉっくぉいしょぉぉぉぉ!!」と腕を振り上げて叫ぶと、会場中がびりびり振動するぐらいの声だったので、みなさんは「わっ!」「びっくりしたぁ!」と大笑いしていました。
何人かはやっぱり恥ずかしがっていましたが、何回も歌ううちにだんだん乗って来て、ずいぶんとほぐれてきました。歌い終わったときには、笑いすぎて涙を拭いてる人もいたほどです。
続いては、またがらりと変わってディズニーナンバー特集となりました。『ハイホー』『ビビディ・バビディ・ブー』『小さな世界』を歌います。60代の方が多めなのでこの選曲はどうかなとも思いましたが、なんのなんの、体を左右に揺らしたり、つま先でリズムを取ったりしながらノリノリで歌っていました。曲の全部はしらなくても、サビは知っているというものばかりでしたから、どの方もすっと歌に入り込めたようです。『ビビディ…』は普通列車、急行列車、新幹線はやぶさに例えて速さを変えて歌いました。最後は早口言葉のようになって、またみなさん大笑い。笑う門には福来ると言いますが、傍で見ていると本当に楽しげで福々しい時間です。DSC_0552
笑い疲れて歌い疲れた頃、お待ちかねの至福の一服タイムとなりました。今年もおいしいコーヒーを用意してくださるのは、宮城野区新田にある喫茶ひこのマスター西垣さんです。毎回、会場に一歩踏み入れた時、コーヒーの馥郁たる香りが参加者を歓迎します。どの方も知らぬ間に深呼吸して「ああ、いい香りねえ」と言います。西垣さんは「一口飲んだとき、ほぅっというため息と笑顔が出ると、嬉しくなるんだよね」と語ります。カップ片手におしゃべりも弾んで、とても賑やかでした。
DSC_0557松本さんは今日の締めに、オペラ「椿姫」の『乾杯の歌』を披露しました。なんとヴィオレッタとアルフレードとコーラスの一人三役で歌うというからおどろき。役ごとに声の高さもしぐさも変えるので、みなさん大喜び。圧倒的な声量でみごと歌いあげた瞬間、会場じゅう拍手喝采の雨あらしとなりました。歌にエネルギーをもらって、今年は何か良いことありそうな気分です。DSC_0558
今年も楽しく歌っていきましょう!よろしくお願いします。