お知らせ

若林西「うたっこ会」ひなまつりコンサート

2016.3.2

仙台市若林区にある復興公営住宅の若林西市営住宅では、
住民同士の交流の場「せせらぎサロン」を続けています。
そのプログラムの一つとして「うたっこ会」を2015年9月から始めました。
季節に一度、プロの音楽家と一緒にみんなで歌い、お茶を飲んで楽しい時間を過ごします。
復興センターでは、音楽リーダーとなる音楽家をコーディネートしています。

IMG_8083s春は名のみの風の寒さや…というとおり、昨日の雪があちこちに残る仙台ですが、今朝は青空が広がり清々しい気持ちになります。季節に一度の「うたっこ会」、今日は特別企画の「ひなまつりコンサート」を開催します。IMG_8092s
会場では手づくりの雛飾りやつぼみのふくらんだ桃の枝が飾られてとても華やか。IMG_8115s
台所と座敷では朝早くからエプロン姿のおばさま方が御馳走の準備を始めていました。皿をならべたり盛り付けたり、おばさま方の本領発揮といったところでしょうか。支度しながらのおしゃべり声が響いてとてもにぎやかです。おや、すり鉢とすりこ木が活躍していますよ。なんだか懐かしい光景でした。
IMG_8220sさて、今日もメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんが音楽リーダーを務めます。会場には3歳から80代までのおよそ30名が集まりました。IMG_8142s
演奏家のお二人がドレス姿で登場すると、おばさまたちから「うわぁ~すてき~」と歓声が上がりました。
いつものように体操と発声練習から始まり、みんなで『うれしいひなまつり』『手のひらを太陽に』『花は咲く』を歌いました。
『花は咲く』を歌いながら、目頭を押さえる人が何人かいました。5年めの3月です。
IMG_8157s若いお父さんの膝で小さな男の子が歌を聞いていました。震災後に生まれたとおぼしき年頃です。
次世代に私たちは震災の経験をどう語り継ぎ、そしてどんな未来を手渡してゆくのか。IMG_8188s
そんなことを歌に問われているような気がしました。

その後はコンサート形式で、懐かしの昭和歌謡からビゼー『ハバネラ』まで、後藤さんの歌声をたっぷりとご堪能いただきました。
IMG_8240sある方から「良い声ね。マイクはどこに着けているの?」と質問されたので、「マイクは使ってないんですよ」と答えると「えええ、」と目を真ん丸にして驚いていました。IMG_8313s
最後に、せせらぎ会から「この1年の感謝を込めて…」と
お礼の言葉とマスコットが演奏家に贈られました。

歌ったり手拍子したり、とけっこう体を使ったのでおなかも空いてきましたね。テーブルを並べて、お待ちかねのお食事会です。
IMG_8325sちらしずし、白和え、汁物、サラダ、デザートに桜もちまで用意されていました。雛の御膳は見た目にも愉しいものですね。桜茶がほのかに佳い香りを漂わせていて、春を感じました。
「わたし80歳」「あの人は70代かな」「おばあちゃんばっかりだね」と言いつつ、いくつになっても女性はひな祭りを楽しみにしていることがわかります。「みんなでああでもないこうでもない言って飾り付けしたり料理したりして、それが楽しいんだよねぇ」「ストレス発散になるし」とエプロン隊の方が笑いました。手ずからのおもてなし、本当にありがとうございます。IMG_8328s
この復興公営住宅ができてまもなく2年、サロン活動が始まって1年半になるそうです。少しずつですが住民同士の交流が増え、顔の見える関係ができ、自然と声を掛け合うことができるようになっているとのお話しでした。継続は力ですね。
仙台市内のみならず、たくさんある復興公営住宅でのコミュニティづくりに音楽がお役に立てたら、と思います。