お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_3月

2016.3.9

仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
宮城野区被災者交流支援事業
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災移転地区、または津波被災地域に
お住まいのおおむね60歳以上の方々と、毎月1回合唱の練習をしています。

暖冬でうかうかしていたら、今朝は歯に凍みるような冷たい風が吹いています。三寒四温にもほどがある、と言いたいところですが自然にはかないませんね。今日は部分日食だそうですが、どんより垂れこめた灰色の雲に遮られて見ることはできませんでした。
が、合唱団メンバーは朗らかに集まりました。明後日の仙台市追悼式への出演を目前にした練習会ですから、気合いが感じられます。今日も仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さんとピアニスト目々澤亜紀さんが指導にあたりました。
IMG_8684-まずは宮城野区家庭健康課の若手職員柴田さんのリードによるウォーミングアップです。2月に仙台市営地下鉄東西線国際センター駅でおこなった仙台フィルとのバレンタインコンサートのことを柴田さんは引き合いに出して、「みなさん素晴らしかったです。そんな自分に拍手を贈りましょう!」と全員で喝采を贈りあいました。一気に華やかなエネルギーが湧き上がったような気がしました。IMG_8680-
続いて、「こう寒いと顔の筋肉が固まって、うまく歌えなくなりますから」と表情筋のストレッチをしました。「すべてのパーツを右へ、下へ、左へ、真ん中へ集めてください」との注文に、「写真は撮らないでくださ~い」との声が上がってみなさん大笑い。顔を縮めたり緩めたりを繰り返すうち、体もじんわり温かくなってきました。人体のフシギですね。
IMG_4501-今日は『家路』『花は咲く』の2曲をじっくり練習します。これまでのおさらいも含めつつ、より細かく丁寧な発声と発語を要求されました。IMG_8712-
頭の奥の空間を開けるイメージで上顎に響かせるように声を出すこと、はっきり発音しようと力むのはかえってよくないこと、油断すると音程はすぐ下がるので常に高めを意識すること、姿勢のこと、視線のこと・・・歌の練習には切りがありませんね。IMG_4629-
パート練習ではお互いの変化を聴いて「あ、変わったねえ」「わあ、きれい!」と健闘ぶりに拍手が出ました。チームの一体感が出てきて、傍で見ていてもイイ感じです。
休憩時間には男声メンバーから「ちょっと早いホワイトデーですが、」とお菓子の差し入れがありました。お気遣いありがとうございます。

IMG_4601-『花は咲く』を練習しながら、涙を拭いている人が何人かいました。やはり3月という季節は、いろいろ思いださせるんですね。或るメンバーは「こないだ海辺の町に行ったんだけど、波の動いているところを見たらやっぱり怖くなって逃げちゃった。だって、あの日は首のところまで水に浸かって何時間もいたからね・・・」と語りました。IMG_8802-
世間では5年の「節目」と言いますが、いま現在も身体の中にはその感覚がまざまざと残っているのです。特にこの時季はメンバーそれぞれにいろんな思いが交錯していると思います。それでも歌に向き合おうとしているみなさんに敬意を表したいと思います。