お知らせ
八幡地区復興支援ふれあいコンサートへ
- 2016.3.29
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仙台市青葉区角五郎地区に復興公営住宅ができて1年と少しが経ちました。この地域を担当する八幡地区社会福祉協議会では、公営住宅の人びとが早く新しい暮らしになじみ、地域に溶け込むようにとさまざまな活動を行なっています。公営住宅住民をお招きし、既存町内会のみなさんも一緒に音楽を楽しんで交流する機会を持ちたいとのご依頼で、本日「ふれあいコンサート」をお届けしました。
今回は聖ドミニコ学院の聖堂が会場となりました。この学校は普段から学校行事の時に周辺町内会へ参加を呼びかけるなど地域に開かれた活動をしています。今回、八幡地区社協からの依頼を快諾し、会場を提供してくださったそうです。地域ぐるみの協力態勢が頼もしいですね。会場には160名を超える参加がありました。
本日の出演はフルート池田緋沙子さん、ヴァイオリン叶千春さん、ヴィオラ齋藤恭太さん、チェロ塚野淳一さんです。
進行を担当する千春さんがまず「この聖堂で演奏するのにどの曲がふさわしいかと考えました」と紹介したのはモーツァルト『アレルヤ』とバッハ『G線上のアリア』です。聖堂内に弦とフルートの音がことのほか佳く響き、お客さんを優しく包み込むようです。春の陽がすりガラスを通して柔らかに差し込み、調べに乗せて澄明さと穏やかさが満ちていきます。多くの方がうっとりと耳をかたむけていました。
その後、モーツァルト『フルート四重奏曲ニ短調』第一楽章も演奏されました。モーツァルトの今日は小鳥が飛び交うような楽しい雰囲気を運んできてくれますね。続いて“ライト・クラシック”の名匠、ルロイ・アンダーソンの2曲が披露され、その軽妙さに心躍る気分でした。
マンシーニ『ムーン・リバー』を紹介したときには多くのご婦人がしきりとうなづいていました。きっとオードリーの映画に胸をときめかせた青春時代を送ったのでしょうね。
プログラムの最後に千春さんは言いました。「私たちはクラシックが専門ですが、日本の歌にも良いものがたくさんあります。こういう良い曲を引き継いでいくことも大事な役目だと思っています」
そうして、『見上げてごらん夜の星を』が演奏されました。終わった瞬間には会場から「はぁぁ…」とため息がもれ、大きな拍手とアンコールの掛け声で客席が沸きました。
アンコールはおなじく坂本九のヒット曲『上を向いて歩こう』です。客席から自然と手拍子と歌声が湧いてきて会場は一つになったようでした。
仙台市内に限らず、東北のあちこちに復興公営住宅がこれから出来ていきます。既存の地域の人びとが新しく移転してくる人々を受け入れるためにさまざまな工夫がなされることと思います。音楽が役に立てることがあればぜひお声がけくださいね。