お知らせ
名取「わくわくピクニックコンサート」開催しました
- 2016.5.6
-
名取市文化会館ではゴールデンウィーク期間中に「Art for Kids@なとり~わくわくパビリオン~」という子供向けの企画を開催しました。大ホールのバックステージツアーや巨大ジグソーパズルなど全館のあちこちでさまざまな催し物があり、多くの親子連れで賑わっていました。
ご存じの通り、名取市では東日本大震災の津波で甚大な被害があり、いまだ仮設住宅に住まう人がたくさんいます。閖上小・中学校もまだ仮校舎のままです。このまちの未来を築いてゆく子供たちと彼らを育む大人の方々に音楽を楽しんで元気になってもらおうと復興コンサートをお届けに行きました。
出演はマリンピア(マリンバ丹野富美子さん、ピアノ吉田彩さん)です。
題して「わくわくピクニックコンサート」。中ホールのホワイエを山のまきばに見立てて、ピクニック気分で聴いていただこうという趣向です。楽器も葉っぱで飾られ、緑の木々には小鳥が見え隠れしています。
入り口のそばにはミニチュアのおうちとシルバニアファミリーが勢ぞろいしてお出迎えしました。(すべてマリンピアのお二人が持って来たんですよ!)
お客さんには好きなところにシートを広げて座っていただきました。会場はみるみるうちにいっぱいになり、なんと300人を超える参加者が集まりました。
オープニングは『アルプスの少女ブレネリとピクニックでハイホー!』です。これは『アルプス一万尺』『おおブレネリ』『ピクニック』『ハイホー』をアレンジした曲で、次々飛び出してくるおなじみの歌に多くの親子が体を揺らしたり手拍子して楽しんでいました。
リムスキー・コルサコフ『熊蜂の飛行』ではマリンバの速弾きに、子供も大人も目を丸くしていました。
今日は子供たちのために、演奏のほかペープサートや紙芝居、手遊びも取り入れた盛りだくさんのプログラムです。世代を超えておなじみの『おべんとうばこのうた』やNHKの幼児番組でいま流行っている『キッチンオーケストラ』では、多くの親子が元気よく身振り手ぶりをまじえて歌っていました。
風の音がするスプリングドラムや雨の音がするレインスティックなど、普段見る機会のない楽器も子供たちの興味を引いていました。お客さんをとことん楽しませようというサービス精神にあふれたコンサート、マリンピアの気概が伝わってきますね。
アンコールは『幸せなら手をたたこう』のアレンジ版です。タンゴ風、短調、ところころ変化する曲の雰囲気に合わせていろんな拍手が聞こえてきました。
およそ1時間のピクニックコンサートは笑顔にあふれた大喝采でお開きとなりました。いつもは生演奏を聴きに行くチャンスがないという親子の方々にたっぷり楽しんでいただけたことと思います。
出口でお見送りする丹野さんと吉田さんに「楽しかったですー!」「ありがとうございましたー!」とおかあさんたちが嬉しそうに言葉をかけていました。大人も子供も元気になる音楽ってすてきですね。閖上小学校はこの5月からようやく取り壊し作業が始まり、再建へ向けての動きが本格化するそうです。ここに限らず、被災地域にはそんな場所がたくさんあることでしょう。未来をつくる子供たちに生きる支えとなる力や希望を手渡していく、そのために音楽にできることがあると私たちは信じています。