お知らせ
駅なかメモリアルコンサートvol.1開催しました
- 2016.5.11
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音楽の力による復興センター・東北では今年度、毎月11日に地下鉄東西線の
国際センター駅と荒井駅を会場にした「駅なかメモリアルコンサート」を企画制作しています。
東日本大震災から5年が経過した今だからこそ、市民のみなさんとともに、
音楽を通じてあの日に思いを馳せる場を設けたいと考えました。
(主催=仙台市)駅なかメモリアルコンサートの初回となる今日は小雨模様となりました。灰色の雲が垂れこめてはいますが、この雨のおかげで木々の新緑がいっそうみずみずしく目に鮮やかです。いま一つな天気にもかかわらず、会場には早くから人が詰めかけ、200人を超える来場者がありました。
今日の出演はジャスミントリオのみなさん(フルート櫻井希さん、クラリネット菊池澄枝さん、ピアノ鷲尾恵利子さん)です。
この企画では復興コンサートに多く出演してくださっている音楽家の方々が登場し、演奏とともに復興コンサートでのエピソードや曲に込めた思いをお話しします。今日のプログラムはエルガー『愛の挨拶』から始まり、ドビュッシー、サン=サーンスモーツァルト等の流麗で優しい調べと、そしてモンティ『チャルダッシュ』やウェブスター『カルメン・ラプソディ』などエネルギッシュで激しい作品などが演奏されました。アンサンブルとソロ演奏を取り混ぜて、クラシック音楽のさまざまな顔を楽しんでいただけたように思います。
トークの中で、菊池さんが気仙沼を訪れたときのことを話しました。
「演奏が終わったあと、あるおばあさんが私の手を握りしめて、こう言ったんです。
“これで明日からも生きられる”って」仙台の市街地ではもう震災の痕跡も見えなくなり、すっかり過ぎ去ったことのように感じてしまいがちになりました。しかし一方で、いまだに震災を現在進行形で生きている人たちがたくさんいます。このメモリアルコンサートの機会に、そういうことも思い起こしていただけたら、と思うのです。
アンコールは『花は咲く』でした。小さく口ずさむ声が会場のあちこちから聞こえてきました。みなさん胸のうちでこの5年という年月を思い出していたのではないでしょうか。温かい歌声と笑顔、たくさんの拍手に包まれて終演となりました。
月命日という特別な日に、いつもの復興コンサートと少し勝手がちがって、実は演奏家もとても緊張していたそうです。しかし、やはりコンサートはお客さんと演奏家が一緒になってつくるものです。おかげさまで第一回のメモリアルコンサートを無事終えることができました。ありがとうございました。
また来月、次回は荒井駅のせんだい3.11メモリアル交流館でお会いしましょう。