お知らせ
みやぎの「花は咲く」合唱団_5月
- 2016.5.18
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仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災移転地区、または津波被災地域に
お住まいのおおむね60歳以上の方々と、毎月1回合唱の練習をしています。昨日の雨から一転、今朝はまばゆい初夏の日差しに木々の緑がきらめいています。今日もはつらつと練習していきましょう!
いつものように合唱指導は仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さん、ピアノ伴奏は目々澤亜紀さんが務めます。会場には31名の仲間が集まりました。さっそく課題曲の『青い眼の人形』と『歌の町』を練習します。より美しいハーモニーをつくるために、翠さんは常に新しい要求が出してきます。やってもやっても先がある、何事もそうですが、歌うことは奥が深いですね。
「呼吸を流れ出させるように、息を回すようにして最初の一音を発声しましょう」
「息をのどで塞き止めてはいけませんよ」
「頑張りすぎると音が荒れるので気をつけて。滑らかな丸い音にしてください」
「低い音のときこそ響きは明るく、上の方に持って行きましょう」
「やさしくそっと高い棚の上に言葉を置くイメージで」
などなど、次々と出てくるオーダーにみなさんついていこうとしています。
ほめ上手、笑わせ上手な翠さんの指導にメンバーは「あはは」と朗らかに笑いながら練習していました。大きな声で笑うと呼吸が途端に上手になります。
まだときどき音程が危うい状態なので、耳のうらに手を添えて自分の音を確認しながら歌う練習もしました。多少音程を外しても、それでも素敵に聞こえる瞬間があって傍で聞いていても楽しいです。
ちょっとしたコツで歌の雰囲気ががらりと変化するので、毎回おどろきもあります。歌は生ものと言うか、生き物と言うか、そんな感じですね。
本日の高度なコツは「言葉そのものの持つイメージとは逆の歌い方をしてみる」というものでした。例えば、「傷つける」という硬い言葉をあえてふんわりと優しいフレージングで歌いました。すると、つらい記憶を抱えながらも互いを思いやる、思い合うような、大人の心遣いのようなものが見えてきて、なるほどなあと感心しました。
終わって、あるメンバーが「今度、地区の集まりがあって、自分の町内会ではみんなで合唱するんだよ」とおしえてくださいました。曲目は昭和の懐メロだそうです。その方の生活の中で歌が根付いてきたように思えてうれしく感じました。
それではまた来月、よろしくお願いします!