お知らせ
みやぎの「花は咲く」合唱団_6月
- 2016.6.8
-
仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災移転地区、または津波被災地域に
お住まいのおおむね60歳以上の方々と、毎月1回合唱の練習をしています。梅雨の到来が間近いことを思わせる湿気のある空気がまとわりつく今朝ですが、今日も元気に歌っていきましょう!
いつものように合唱指導は仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さん、ピアノ伴奏は目々澤亜紀さんです。
今日は、東北文化学園大学で看護を学ぶ若者3名が見学に来ました。一緒にウォーミングアップの体操をし、歌唱練習にも参加していただきました。若い人のエネルギーに感化されてか、なんだか歌声もパワフルに聞こえます。
この8月に宮城野区中野地区で慰霊碑除幕式が予定されていますが、みやぎの「花は咲く」合唱団はその式に引き続く地域交流会への出演を依頼されています。あと2か月ということで翠さんの指導にもさらに熱が入ってきます。今日は『歌の町』『青い眼の人形』をがっちりと練習することになりました。
最初の一音の発声で「はい、いったん止めますね」とさっそく注意が。「のどを開けて息を流すようになめらかに出しましょう。力んでのどにひっかけては音が濁ります」。童謡だからと元気に歌おうとして力が入ることは表現としてよろしくないんですね。
なまじ知っている曲だけに、低音部はどうしても主旋律につられて音程があやしくなりがちです。「はい、このフレーズを3回繰り返しますよ」「ついでにもう一回!」と音程が染み込むまで繰り返します。少しずつですが、低音が安定してきました。やればできますね!湿気のせいでしょうか、歌も湿気を帯びてどんより低空飛行ぎみになると、「音は上からつかまえに行くんですよー!」「感情が表情に出て、その表情が音に出ます。はい、明るく!」と檄が飛びます。翠さんが「みなさんの真似をしてみます」とどんよりした無表情で歌うと、メンバーは「あははは」と爆笑しました。
「人前で歌うときには、自分の出す音に責任を持たなければいけません」と翠さんは演奏者としての心得を言いました。その言葉にメンバーは襟を正したように見えました。
自分の楽しみとして歌うだけならいいですが、誰かのために歌うのならば、それにふさわしい表現と技術が必要になります。この合唱団も開始から2年半が経過し、このように音楽的な要求が高くなってきたことに、或る種の感動を覚えます。
「合唱なんてやったことないけど…」「何十年も歌ってないけど…」と言いながら集まってきた彼らですが、いま四苦八苦しながらもその要求に応えようとする姿に心からエールを贈りたいと思います。