お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_7月

2016.7.13

仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災移転地区、または津波被災地域に
お住まいのおおむね60歳以上の方々と、毎月1回合唱の練習をしています。

DSC_0905晴れたり降ったりと安定しない空模様のせいか歌声もなんだか湿りがち。ですが、今日も合唱講師は仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さん、ピアノ伴奏は目々澤亜紀さんが明るく朗らかに務めます。DSC_0937
なんと練習会場に冷房設備がなく、合唱団メンバーはむしむしする暑さの中で汗を拭きふき練習していました。来月の出演に向けて本番会場で練習できるのは好都合でしたが、いつもの会議室よりひろびろとしてだいぶ勝手が違うのでちょっと気圧されたようです。とくに『歌の町』の弾む感じがすっかり湿気ってどんよりとしてしまいました。
DSC_0909「みなさーん、口をたてに開けて明るい響きをつくってくださーい」
「視線を楽譜から上げてお客さんを見るようにして歌いましょう」
「のど声で押さないように!滑らかにつなげて!」
「ボールを遠くに投げるイメージで声も斜め上に飛ばしましょう。向こう側のバスケットゴールに声を届かせてください」
などなど、翠さんから次々と助言が飛びます。
メンバーはだんだんとエンジンがかかってきた様子で、「ああそうだった」とこれまでの練習の成果を思い出してきたようでした。DSC_0941
翠さんからの提案で歌詞を朗読してみました。ぼそぼそとつぶやくように音読するメンバーに「声のトーンを2段階ぐらい上げてくださいねー!」と翠さん。ただ単に読むのではなく、誰かに伝え、届けるための“表現”としてふさわしい音色や出し方があるというわけです。そう、歌はいつも誰かを想定してうたわれるものでしたね。
DSC_0946その後『青い眼の人形』『家路』など新旧レパートリーをおさらいし、本番を想定した入場退場のしかたも練習しました。「衣装はどうしますか?」「入口で会釈した方がいいですか?」など、メンバーからは積極的に質問が出ました。
見学に来ていた東北文化学園大学看護学科の学生さんが「声を出して歌うことが健康にいいということがよくわかりました」「みなさん生き生きとしていたのが印象に残りました。この会が生き甲斐になっているんですね」と言っていました。はい、本当にそうなんです。
来月の本番は、中野地区慰霊碑の除幕式に併せて行われる地域交流会への出演です。津波で大きく被災し取り壊された中野小学校跡地に慰霊碑が建立されるのです。メンバーの中にはその地域で被災した方が何人もいます。DSC_0929
東日本大震災から5年5か月めの8月11日に行われるその式で、被災者自身が自らの歌声で地域の人びとを励まし、喪われた多くの魂に祈りを届けようとしています。本番ではこの気持ちを地域のみなさんと共有できたらいいなあと思います。暑さに負けず、頑張りましょう!