お知らせ

塩釜・伊保石「みんな音もだちスペシャル」へ

2016.9.9

3昨日の大雨が嘘のような快晴となりました。今日は、伊保石災害公営住宅にできた、伊保石清水沢一区第2集会所での復興コンサート「みんな音もだち(おともだち)スペシャル」の日です。
震災後、主婦が集まって活動を始めたボランティアグループ「えぜるプロジェクト」から、演奏に来てください、とお話をいただきました。えぜるプロジェクトは、塩釜市内の仮設住宅や復興公営住宅で、定期的にお茶会を開いたり、みんなでギターに合わせて歌う会「みんな音もだち」を開いたりといった活動を、ここまで続けて来ているグループです。

8出演は、クラリネット奏者の副島謙二さんと、ピアニストの阿部玲子さんです。この会場には、「被災地へピアノをとどける会」から贈られた、猫脚がステキなアップライトピアノがあります。
周囲に戸建ての災害公営住宅31戸が建てられているとはいえ、なかなか集会所での催しはまだ開催されていないとのこと。ピアノが弾かれるのも、今日で3度目。少しでも多くの方に聴いていただきたいことや、公営住宅の方と前からの伊保石地区の方、双方の交流のきっかけになれたら、と町内会の方にも広くお声掛けをしました。%ef%bc%91%ef%bc%96%e5%b9%b4%ef%bc%90%ef%bc%99%e6%9c%88%ef%bc%90%ef%bc%99%e6%97%a5%e5%a1%a9%e9%87%9c%e5%b8%82%e4%bc%8a%e4%bf%9d%e7%9f%b3%e6%b8%85%e6%b0%b4%e6%b2%a2%e3%80%8c%e3%81%bf%e3%82%93%e3%81%aa
コンサートの30分前から、少しずつお客さんが集まり始めました。中には、他の地区の公営住宅から、わざわざバスでいらした方もいたそうで、会場はお客さまでいっぱいになりました。

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その後は、ピアノ独奏で阿部さんがバッハ『主よ、人の望みの喜びよ』を演奏しました。この曲は、猫脚のすてきなこのピアノの写真を見て、バッハが似合いそうだな、と選んでくださった一曲。%ef%bc%91%ef%bc%96%e5%b9%b4%ef%bc%90%ef%bc%99%e6%9c%88%ef%bc%90%ef%bc%99%e6%97%a5%e5%a1%a9%e9%87%9c%e5%b8%82%e4%bc%8a%e4%bf%9d%e7%9f%b3%e6%b8%85%e6%b0%b4%e6%b2%a2%e3%80%8c%e3%81%bf%e3%82%93%e3%81%aa

後半戦に入ると「さて、ここからはシニアの時間です」と副島さん。クラリネットならではの選曲で、副島さんが大好きだという、ベニー・グッドマンの『メモリーズ・オブ・ユー』、そして鈴木章治の『鈴懸の径』が続き、一気に夜の大人のコンサートの雰囲気となりました。これには、男性のお客様たちも大喜び。膝の上に置いた指で小さくカウントを取っていらっしゃる方もいました。
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朝会場に来てからのリハーサルで急遽決まったとは思えない見事なセリフ回しに、会場は拍手喝采!音楽とセリフとの絶妙な間も、本番は大成功。イントロだけではなく、終わりの部分にもセリフがあり、こちらも見事なエンドロールとなりました。
「主役は全部、持っていかれましたね(笑)」と副島さんはおっしゃいましたが、いえいえ、見事な役割分担とコンビネーション、そして音楽あってこその、あのセリフでございました。

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大きな拍手でコンサートを終えると、「今日は、本っ当に楽しかった!」とあちこちで声をかけていただきました。演奏者のお二人にも多くの方が直接、感想を話してくださいました。
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代表をされている山田さんが、「復興コンサート」のチラシを石巻で見かけた時から、仮設住宅や公営住宅の方々との信頼関係をきちんと築くことができたら、塩釜へもコンサートをお願いしようと、「復興コンサート」開催を目標に活動を続けていらしたと言ってくださいました。そんな風に思っていただいていたとは、と、じわじわと感激してしまった出会いでした。
せっかくできた新しい集会所。みなさんの活動の拠点として、これからますます賑やかな声のする場所となっていきますように…!