お知らせ
みやぎの「花は咲く」合唱団_9月
- 2016.9.21
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仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
おもに宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災集団移転地区、
または津波被災地域にお住まいのおおむね60歳以上の方々と、
毎月1回合唱の練習をしています。秋の長雨がようやくあがって久しぶりに澄み渡る青空が顔を出しました。大袈裟ですが「ああ、こんなに空は青かったのか」と改めて感動しました。胸いっぱいに深呼吸したくなります。
さて、今日は5週間ぶりの合唱練習です。季節がすっかり入れ替わって気分一新。やってきた合唱団メンバーは「なんだかずいぶん久しぶりな感じがするねえ」「ほんとね。元気だった?」と挨拶を交わしていました。その姿には、久しぶりに歌えることが楽しみだという、うきうきしているような雰囲気も感じられました。みなさんお元気そうで何よりでした。
いつものように合唱指導は仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さんとピアノ伴奏は目々澤亜紀さんです。今年度後半もどうぞよろしくお願いします。
ウォーミングアップに肩甲骨周りのストレッチを重点的に行ないました。これからの寒い季節は肩がちぢこまりがちなので、しっかり覚えておきたいですね。恒例の全員肩もみ大会はみなさん気に入っているらしく、「あ~いいねえ」「気持ちいい」と笑顔の花があちこちで咲きます。こういうスキンシップは仲間意識を育てるのに役立つようです。「家にいると誰も揉んでくれる人がいないからさあ」という愚痴まで飛び出してきました。
今日から新曲の練習に入ります。メンバー世代には懐かしい『若者たち』が課題曲です。もともと『花は咲く』1曲をユニゾンで歌うだけだったこの合唱団、時間をかけて少しずつ二部合唱のレパートリーを増やしてきました。今回はさらに輪唱という新しい技が求められる曲です。
「輪唱で後から歌い出すパートは“言葉を立てる”ことを意識してください」
と、翠さんから指導がありました。なるほど、単純にずらして歌えばいいというわけでもないんですね。最初の子音をはっきりくっきり出すことを何度も練習しました。
久しぶりの練習で、しかも新曲ということもあり、メンバーは楽譜を追うのに必死です。下を向いて楽譜を顔に近づけている人が多く見受けられたので、翠さんは「できればこういう最初の段階から顔を上げて姿勢を良くし、美しい発音や発声を心掛けるとさらに歌が良くなりますよ」とアドバイス。
「歌はメッセージです。聴く人に元気や喜びを与えるものです。そのことを忘れないでください」との言葉に深々とうなずくメンバーなのでした。
『若者たち』がおなじみすぎるほどの愛唱歌であるがために、低音部メンバーは初めて聞くメロディに目を白黒。伴奏の亜紀さんは低音部のメロディをはっきりわかりやすく弾いてアルトパートを応援しますが、「うーん、むずかしい~」「…できるかなあ」と苦笑交じりのため息が聞こえてきました。
しかし、休憩時間に或るメンバーが突如として力強く言いました。
「でも私、これまでやってきてわかったの。毎回歌っていればいつかできるようになるのよね!」
その通りです!その意気です!合唱団活動もまもなく3年目に入りますが、これまでの蓄積がメンバーの自信を育んでいることがわかって嬉しく、また、頼もしくなりました。根気よく彼らを導いて来た翠さんと亜紀さん、そして支えてくださった宮城野区まちづくり推進課や家庭健康課の方々にこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。
さあ、来年3月のコンサートへ向けてまたがんばっていきましょう!