お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_12月

2016.12.9

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では、
町内会主催のサークル活動として、
この住宅とその周辺にお住まいの方々の交流の場
「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌い、
おいしいコーヒーとおしゃべりを楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、
音楽リーダーとなる音楽家をコーディネートしています。

dscn2598田子西市営住宅の花壇はすっかり葉牡丹に植え替えられていました。冬ですねえ。集会所にもクリスマスツリーが飾られていて、年の暮れが近いことを感じます。
やって来た人が口々に「まあコーヒーの佳い香りがする!」と感嘆の声を上げるので、コーヒー担当の西垣さんは「光栄に存じます」と嬉しそうでした。寒い季節は熱いコーヒーがいっそう身に染みますね。
さて、今日のうたカフェは前回に引き続いて、ハンドベルによる『きよしこの夜』からはじめます。音楽リーダーは仙台オペラ協会のソプラノ岩瀬りゅう子さんとピアノ富樫範子さんです。岩瀬さんが「12月ですからね」とみなさんに赤と緑のスカーフを配って身に着けていただきました。後ろから見ていると、なんだかボーイスカウトみたいで可愛い風景です。
dscn2613さあ軽快にハンドベルを振ることができるよう、まずはウォーミングアップ。指と数をつかうエクササイズを富樫さんがリードしました。文字通りの“指導”ですね。
「イチニのサンのシのニのゴ…」と歌いながら、その数に応じた本数の指を立てます。簡単そうに見えて意外にややこしく、最初はみなさんあたふたして大混乱、げらげら笑って腹筋のウォーミングアップにもなっていたようです。

dscn2616ほどよく手指が温まったところでハンドベルに再挑戦。前回の経験が功を奏し、みなさんに若干の余裕が出てきた様子です。腕の振り方も自然で、ちょっとカッコよくなっていました。
「みなさん、前に出てやってみましょうか」と岩瀬さんが誘いました。dscn2635
即席ですが、田子西ハンドベル隊の発表会です。
鳴らす楽しさに加え、澄んだベルの音は聞いていても心明るくなるものです。みなさんやや緊張しながらもまんざらでもない様子で、最後は全員でベルを鳴らし、ぱあっと笑顔になっていました。一曲できると達成感がありますよね。

続いて、みんなで歌うコーナーです。今日はカンツォーネを2曲、言わずと知れた『オー・ソレ・ミオ』『フニクリ・フニクラ』です。
dscn2657「イタリア人になった気分で歌い上げてくださいね」「みなさん、ご自分の太陽は誰ですか?その人を思い浮かべて情熱的に!」と岩瀬さんが言うと、「えへへへ」と照れ笑いする人があちこちにいました。イタリア人気質と東北人気質はだいぶ異なると思いますが、たまにはこういうのもいいのではないでしょうか。dscn2642
ついでに、と言うのもなんですが、『フニクリフニクラ』の替え歌『鬼のパンツ』も歌いました。例の 「オニ」「パン」「ツー」「強いぞ~」の振り付きです。なんだか今日は運動量の多いうたカフェですね。みなさんそこそこあわあわしつつ、楽しんでいました。

dscn2659その後、がらりと気分を変えて大正時代のヒット曲『ゴンドラの唄』をうたいました。「命短し恋せよ少女」という冒頭の一節がことに有名な歌です。
「あ~ずいぶん古い歌なんだなや」と御年84の長老が感心していました。多くのご婦人がたはご自分の若かりし頃を思い出したのか、ちょっとしみじみとした雰囲気で、三拍子の調べに体を揺らしながら気持ちよさそうに歌っていました。
今年最後の回ということで、みなさんは去り際に「よいお歳を」「今年もお世話になりました」「また来年もよろしくね」とお声を掛けてくださいました。或る常連さんは風邪をひいて「今日はさっぱり声が出ないの」と言いつつも顔を出してくださいました。多くの方がうたカフェを本当に楽しみにしていることが伝わってきて、スタッフ冥利に尽きる有り難いことだなあと思いました。こちらこそお世話になりました。また来年よろしくお願いします!