お知らせ

支倉サロン「冬のほっこりコンサート」へ

2016.12.15

img_7517s浄土真宗本願寺派の東北教区災害ボランティアセンターは2011年3月17日に設置されて以来、全国から集まったのべ数万人のボランティアを受け入れ、ともに被災者支援活動を続けてきました。さまざまある活動の一つに、このセンターを会場にして毎月行われる「支倉サロン」があります。おもに仙台市内のみなし仮設にお住まいだった方が集まって、例えば手工芸を楽しんだりお茶会でおしゃべりしたりと、交流する大切な場になっています。遠くからバスを乗り継いでやって来る方もいらっしゃるそうです。
img_7472s復興センターでは毎年、この支倉サロンに復興コンサートをお届けしています。今回も昨年に引き続き「冬のほっこりコンサート」を行なうこととなりました。img_7409s
出演は仙台フィルハーモニー管弦楽団メンバーによる弦楽四重奏(ヴァイオリン小川有紀子さん、ヴァイオリン岡村映武さん、ヴィオラ清水暁子さん、チェロ八島珠子さん)です。事前の申し込みを上回る人数が集まって、会場はとても賑やかになりました。コンサートをとても楽しみにしていらしたことがわかりますね。ありがとうございます。
img_7423sオープニングはモーツァルト『ディヴェルティメントK.137』全楽章でした。癒し効果が高いと言われるモーツァルトの曲で、まずはこの一年の疲れをほぐしていただこうという演奏家のねらいです。軽やかで室内楽の醍醐味をたっぷりと味わえる曲でした。
小川さんが「モーツァルトの曲は難しくて、私たち演奏者はちっとも癒されないんですけどね」とお客さんを笑わせました。img_7419s
続いては、小品の名手アンダーソンによる可愛らしい曲の特集です。と、「普段、オーケストラではこんなことしないんですよ」と言いながら演奏家たちは手の指を伸ばしたりちぢめたり、まるで水泳前の準備体操みたいなことをしました。img_7386s
そして、『プリンク・プランク・プランク』が披露されました。全編ピチカート奏法で書かれたこの曲は音の楽しさに加えて見た目の珍しさもありますね。お客さんは「ほお~」と感心して聴いていました。
『踊る仔猫』ではうっとりした三拍子の調べの最後に、八島さんが「ワン、ワンワン!」と吠え、それを小川さんが「にゃ~お!」と受けてお客さんは大よろこび!「あら、猫ちゃん逃げて行っちゃったのね!」という声が聞こえてきました。
img_7416sいまの季節にぴったりの『そりすべり』では二枚の木の板を貼り合わせたウィップという楽器が登場。これはチェンバロ職人である八島さんの旦那さんによる手作りです。img_7403s
この、パチン!と硬い音はそりをあおる鞭を表しているのですが、あるお客さんは「そりが何かにぶつかったのかと思ってびっくりしたわ~」と笑っていました。
さて、たのしい時間はあっという間です。クラシック曲からテレビ主題歌、懐かしの唱歌などヴァラエティに富んだプログラムをお送りし、最後はみなさんで『花は咲く』をご一緒に歌っていただきました。
img_7459s以前、このサロンから「この歌を練習したい」とのご要望を受けて仙台オペラ協会の齋藤翠さんにご指導いただいたことがありました。久しぶりではありますが、その成果を発揮していただけたでしょうか。
「私たちにとっても大切な曲です」と小川さんが言いました。img_7474s
参加者のみなさんにも、演奏する4人にも、胸中に去来するものがあったことでしょう。歌い進むうちにぽろぽろと涙をこぼす方が幾人がいらっしゃいました。歌が終わると参加者と演奏家の双方で拍手と笑顔を贈り合っていました。

img_7505sコンサートのあとのお茶会には演奏家も参加しました。あちこちでおしゃべりが弾んでいる様子です。すると或るおじさまが立ち上がり、マイクを握って言いました。
「今日はヴァイオリンの小川さんの誕生日だそうです!」
なんと素敵な偶然でしょうか。その後はその場にいた全員で『ハッピーバースデイ』を大合唱し「おめでとうございまーす!」と大盛り上がりとなりました。
img_7496s img_7497sその様子に、復興コンサートはみんなでつくるものであることを改めて実感しました。音楽を通してお互いに元気や思いやりを交換し合うこと、生き生きとした時間をともに創ること。タイトル通りに「ほっこり」としたひとときとなりました。
みなさまどうぞ良いお年をお迎えくださいますよう。来年の支倉サロンでまたお会いできますように。