お知らせ
田子西「うたカフェ♪」_1月
- 2017.1.20
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仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では、
町内会主催のサークル活動として、
この住宅とその周辺にお住まいの方々の交流の場
「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌い、
おいしいコーヒーとおしゃべりを楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、
音楽リーダーとなる音楽家をコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)穏やかな陽気だったのが一転にわかに掻き曇り、小雨がパラパラと落ちてきました。参加者の出足が心配でしたが、天気にくじけることなく、常連さんが次々と登場してくださいました。「今年もよろしくお願いしますね」と新年のあいさつを交わします。みなさんお元気そうで安心しました。
「これは何をやっているの?」と興味を示す通りがかりのご近所さんを「一度やってみたらいいっちゃ~!」とある常連さんが誘いました。また別の常連さんは新たに2名のご友人を連れてきました。そう、何はさておき歌ってみましょう!新年にふさわしく新しい顔ぶれを迎えて、うたカフェは始まりました。
今日も音楽リーダーは仙台オペラ協会の松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ伴奏は富樫範子さんです。
まずは富樫さんのリードでウォーミングアップ。「幸せなら手をたたこう」を歌いながら、手を叩いたり足を踏み鳴らしたり背伸びをしたり。底冷えのする日ですが、体がじんわりと温かくなりました。
本日は、日本の昔ばなしを特集したプログラムで、『一寸法師』、『浦島太郎』、『うさぎとかめ』、『きんたろう』、『花咲爺』などおなじみの童謡を6曲用意しました。これらはすべて明治30年代~40年代に作られており、二拍子のはつらつとした躍動感にあふれています。この時代に集中して子供のための歌が作られたんですね。
おなじみの…と言いつつも、知っているのは1番か2番ぐらい。じつは5番や6番まであったりするので「へえ、こんな内容なんだ」と意外な感じもあります。大ボリュームなので二手に分かれて代わりばんこに歌ってみましょう。或る時は良いおじいさんと悪いおじいさんに分かれて、また或る時はうさぎとカメに分かれて歌いました。
力強い歩みのような二拍子は人を力づける様子です。ほとんどの人が拍子にあわせて体を揺らしながら、明るくテンポよく歌っていて、「童心に帰って」という言葉がびったりの光景でした。
『一寸法師』のときに松本さんが「この歌、ご存じですか?」と尋ねると、たった2,3人が小さく手を挙げただけでした。「んー、知ってると思うけど…」と自信なさげ。でも、いざ歌い始めたらほとんどの方がすんなり歌えていて、メロディの記憶ってすごいなあと思わされました。6曲を駆け足で歌ってのどが渇いたころでしょう、お待ちかねのコーヒータイムとなりました。今日も喫茶ひこのマスター西垣さんが香り豊かに淹れたてのコーヒーを準備しています。寒い雨の日に熱々のコーヒーはうれしいもの、いつも以上に売れ行きが良い様子。このブレンドを気に入って、豆を求める人もいらっしゃるほどです。
コーヒータイムにつきものなのが演奏家によるミニミニコンサート。
今日はなつかしのテレビアニメ「まんが日本昔ばなし」のテーマ曲を松本さんと岩瀬さんが二重唱で披露しました。あらためて聴いてみるとメロディがやさしく、綾なすハーモニーが美しくて、しみじみとした味わいのある歌ですね。
眼を閉じて聴く人、子守唄のように体を揺らして聴く人など、コーヒーの湯気と相俟ってほんわかした雰囲気が漂いました。歌い終わると大きな拍手が沸き、ある男性は「なかなかいい曲だねえ」と言っていました。
最後に、また全員で6曲すべての1番だけをメドレーで歌いました。みなさん一段と大きな声で、はつらつと歌っていました。その様子を受けて松本さんは「みなさん、今年も元気いっぱい歌っていきましょうねー!」と、これまた元気に新年最初のうたカフェを締めました。
「初めて参加したけど、楽しいもんだねえ」とまた別の男性がまんざらでもない様子で言いました。「それじゃまた来月ね」「またね」とみなさんはほかほかした笑顔で帰っていきました。寒さを忘れる楽しいひとときでしたね。今年もどうぞよろしくお願いします!