お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_3月

2017.3.1

仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
おもに宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災集団移転地区、
または津波被災地域にお住まいのおおむね60歳以上の方々と、
毎月1回合唱の練習をしています。

あっと言う間に3月となりました。そしてコンサート本番はいよいよ今週末、もう目前に迫っています。今日は本番会場のパトナホールで練習が行われました。やはり空間の大きさには毎回圧倒されますね。メンバーもなんだか寄る辺なさげにそわそわしていました。
今日も講師は仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さんとピアノ伴奏は目々澤亜紀さんです。ウォーミングアップはいつもとメニューを替えて、呼吸をしっかりやりました。カウントに合わせて短く歯切れよく吸ったり吐いたり。やってみるとけっこうきついワークですが、呼吸に集中すると緊張が取れて体が会場になじんできたように感じます。
続いて、「あ」「え」「い」「お」「う」の母音に応じたポーズを取りながら発声しました。大きく両手を広げたり伸ばしたり、身体が空間に働きかける実感が発声を助けてくれます。ついでに肩甲骨まわりもほぐれて一石二鳥ですね。

このホールは良くも悪くもとにかく音が響くので、美しい声も外れた音もしっかり聞こえてしまいます。
翠さんは音程に細心の注意を払うよう再三アドヴァイスしました。音程をキープすることは空中でホバリングするようなエネルギーを要します。ちょっとでも楽をしてしまうと音程が低く、暗くなってしまいます。
「声を遠くに飛ばして」「もう一段上です」「音は上から掴みに行ってください」
天井が高くない普段の練習会場とちがって、上方向への意識がもうひとがんばり欲しいところです。みんなで何度も繰り返しました。
「子音を頑張りすぎると濁って聞こえます」「言葉をやわらかくつなげましょう」
多くの人はいつもがんばるのが癖になっていて、”がんばらない”ことが意外に難しいんだなあと思いました。
ホールで歌える機会はそうそうないので、今日は「歌が客席でどう聞こえているか」をお互い確かめることにしました。
客席から見る舞台上の仲間たちは遠く小さく感じられます。が、歌が始まった瞬間に客席のメンバーが「え、こんなに響くの?!」「舞台で歌っているのと全然ちがう!」と驚きの声を上げました。「うわぁ~…」と感動している人もいました。
合唱では音量よりも「音程」と「音色」が大事だということがみなさん実感されたようでした。
途中5分の休憩を入れたものの、全5曲の歌唱に加えて登退場や楽譜の持ち方なども含めてほぼ90分、ずっと立ちっぱなしの練習を乗り切ってくださいました。さぞくたびれたことと思いますが、みなさんの表情は明るく晴れ晴れとしていて、「衣装はどうしましょう?」と舞台に立つ意欲をみなぎらせていました。或る方は「町内会の掲示板にチラシ貼ってもらったよ」と宣伝活動の報告をしてくださいました。頼もしいですねえ。
さあ本番まであと4日。体調管理をしっかりと、各自おうちでの自主練習もよろしくお願いします!