お知らせ

若林西せせらぎ会「うたっこ会③&おひなさまコンサート」

2017.3.1

仙台市若林区の復興公営住宅で2015年9月から「うたっこ会」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、若林西せせらぎ会と
協働してこの会を運営しています。

今年度2年目となった、若林西市営住宅集会所での「うたっこ会」。復興公営住宅として仙台市では最も早い時期に入居開始となり、自治会「若林西せせらぎ会」が立ち上がって以降、住民の方々が主体となったサークル活動も活発です。婦人部が月に2度開く「せせらぎサロン」へ、今年もおおよそ3ヶ月に一度のペースで、「うたっこ会」としてお伺いしました。音楽リーダーはメゾソプラノの後藤優子さんと、ピアノの田村聡子さんです。

今回は、おひなまつりに合わせて、コンサートの時間をいつもより多めに取り、その後には、せせらぎ会が今年一年お世話になった方を招いての昼食会を開催することになっていました。招待された方の中には「うたっこ会」の始まりから参加してくださる方も多くいらっしゃいました。

会場に飾られたお雛様の華やかさに負けないくらい、素敵なドレスで登場した後藤さんと田村さんに、お母さん達から大きな歓声が上がりました。ドレス姿ではありますが、まずはいつもと同じにストレッチから。「肩甲骨をよく回して…」なかなか普段は使わない筋肉を、充分に伸ばしていくのは、とても気持ちのよいものですね。続いて発声練習もいつも通りに。「日は山に~♪」と放物線をゆったりと描くように、スタッカートで歌ったり、レガートで歌ったり。合わせてゆったりと両腕を前に大きく伸ばして広げて行きます。心なしか、みなさん白鳥にでもなったような気分で、のびのびと声を出しているのが分かります。

みなさんと一緒に歌うのは、この季節ならではの…「北国の春」「春が来た」「うれしいひなまつり」。必ず歌詞を一度朗読してから、メロディに載せます。滅多に口ずさむことのなくなった「うれしいひなまつり」。「私、この歌とっても好きだったから、今日ここで歌えてとっても嬉しい~」と教えてくださった方がいらっしゃいました。一人で過ごす時間が長いと、歌う、ということもなかなかしなくなりますね。こうしてみんなで声を合わせて歌うと、ついつい誘われるように声も出てしまうのかもしれません。

後半の『おひなさまコンサート』では、「早春賦」「花」「城ヶ島の雨」「バラが咲いた」そして、越路吹雪「愛の讃歌」、ホルスト「木星」と続けて演奏されました。「早春賦」では、思った以上に後藤さんの歌に合わせて唇が動いている方が多く、みなさん、つい歌い出したくなる歌なのだな、と改めて思いました。また「城ヶ島の雨」は、前回来た際にリクエストいただいた曲。倍賞千恵子が歌ったことでも知られる、北原白秋の短い詩ですが、歌となるととてもドラマチック。これが、後藤さんの声にはとても似合っていて、みなさん、すっっっかり聴き入っていました。最後は、ホルストの組曲『惑星』からの抜粋である「木星」に、英語の歌詞と、平原綾香が歌った日本語の歌詞との両方を合わせて。キーボードでの伴奏は、この曲だけピアノではなくストリングスでの演奏。壮大な世界が目の前に現れたような錯覚を起こしながら、すっかりその世界に浸って聴きました。

アンコール!の声に応えて演奏されたのは、「花は咲く」。みなさんの心にも大きな花が咲きますよう、祈りを込めて、との後藤さんの一言。今年もやってきた3月に、ひとりひとりが思いを馳せて、聴き入っていたように思います。田村さんとのハーモニーも美しく、演奏が終わると静寂の後に盛大な拍手が送られました。そして、若林西せせらぎ会会長のOさんから「さ!みんな、立って!いつもの御礼のあれ、やるよ!」と声がかかると…「ぃがった~!ぃがった~!ぃえ~い!」と、仙台弁の万歳三唱のような掛け声が…楽しい時間はあっという間でした。

コンサート拡大版の「うたっこ会」を終えて、お食事会へと移る間にも、みなさん口々に後藤さんや田村さんに「とってもよかったよ!」と声をかけてくださっていました。ドレスを着替えてしまう前に、せっかくなので後藤さん、田村さんも、おひなさまと記念撮影です。

この後写真を撮り忘れてしまったのですが、婦人部エプロン隊のみなさんが、朝早くから用意してくださったお食事やデザートに、ちらしずしや野菜たっぷりのお汁、桜餅から手作りのお漬物…とにかく食べきれないほどのおみやげまで頂戴して、みなさんとお話しさせていただきながらお食事をごちそうになりました。

また若林西せせらぎ会「うたっこ会」は、来年度も続くことになりました。次回へのリクエストもしっかりいただいて…また、みなさんに元気にお会いできることを楽しみにしています!