お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団の年度末

2017.3.29

仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
おもに宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災集団移転地区、
または津波被災地域にお住まいのおおむね60歳以上の方々と、
毎月1回合唱の練習をしています。

 さて、今日は年度締めの振り返り会です。
合唱団草創期からずっと見守ってくださり、また、メンバーの一員として一緒に歌ってきた宮城野区まちづくり推進課の我妻さんと庄子さんがこの春の人事異動に伴って合唱団を卒業することになりました。

この合唱団の陰の功労者とも言えるお二人にメンバーからちょっとしたプレゼントと、講師の齋藤翠さんと目々澤亜紀さんから『愛燦燦』の演奏が贈られました。お二人は目を閉じて感無量の面持ちで聴き入っていました。
最後は我妻さんの十八番という『達者でナ』をみんなで歌ってお二人を見送りました。この3年半、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

後半はメンバーそれぞれに今年度を振り返ってひとことずつ頂戴しました。
3月初めのコンサートのことを家族やご近所さんに褒められたと嬉しそうに話す方がたくさんいました。「娘に〈最初のコンサートより上手になったねえ〉と言われました」「あまり期待しないで来た知り合いが〈感動しちゃった〉って言ってました」などなど(多少は社交辞令があるにしろ)好評だったようでよかったです。頑張った甲斐がありましたね。
一方で、家族を亡くした悲しみの中で生きるのに歌うことが支えになったと語る方も何人かいました。6年が経過してもあの時のことを話そうとすると声が震えます。涙をこらえながら懸命に話す姿を仲間たちはじっと見守っていました。
この春、遠くに引っ越す方もいます。
「私はあの海辺の町に戻りたくないんだけど…でも仕方ないね。合唱団で仲良しの友だちができて嬉しかった」

大舞台を終えた安堵感と、仲間が旅立つ淋しさとが入り混じり、いろいろなことが思い出される春の日でした。