お知らせ
通町市営住宅「春が来たコンサート」
- 2017.4.23
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仙台市青葉区の中心部にほど近い通町市営住宅は14階建ての大規模な復興公営住宅です。完成して2年が経ちますが住民同士の交流はまだまだこれからという雰囲気です。今日は、自治会総会の開催にあわせて、より多くの住民の参加を促すようにと復興コンサートをお届けすることになりました。
名付けて「春が来たコンサート」、出演はおなじみジャスミン・トリオのみなさん(フルート櫻井希さん、クラリネット菊池澄枝さん、ピアノ鷲尾恵利子さん)です。会場にはおよそ40名の参加者が集まりました。
春色のドレス姿で登場した演奏家を見るや或るおばさまが「ストーブついてる?あの人たち寒くないかしら?」と気遣ってくださいました。ありがとうございます。
エルガー『愛の挨拶』にはじまり、シュトラウス『トリッチ・トラッチ・ポルカ』やメンデルスゾーン『春の歌』など、この季節にぴったりな明るくてうきうきした印象の曲が披露されました。
鷲尾さんが独奏した『幻想曲 さくらさくら』は桜の花が咲いて散りゆくまでを彷彿とさせるドラマティックで絢爛な作品で、満開の桜の幻が浮かんでくるかのようでした。
楽器紹介のときに、クラリネットやフルートを間近に見て「わ~きれいだねえ…」と惚れ惚れとしているご婦人方がいました。
澄枝さんが「クラリネットは何でできてるかご存じですか?」と問いかけると客席の男性陣から「カーボン?」「黒檀?」と声が上がりました。控えめで遠慮がちではありますが逐一反応してくださるお客さんたちで、温かい雰囲気の中コンサートは進みました。
映画音楽『追憶』『ムーン・リバー』が演奏されると、「うん、知ってる知ってる!」と言わんばかりにうなずく方が何人もいて、懐かしの調べにうっとりと身を委ねていました。外国映画が青春時代の憧れだったのかもしれませんね。
続く日本の歌曲メドレーでは『花』や『荒城の月』などに合わせ客席から歌声が湧いてきて、演奏家も嬉しそうでした。締めは『いつでも夢を』を一緒に歌っていただきました。新しいコミュニティづくりに励んでゆく住民のみなさんへ「いつも希望を忘れないでください」という演奏家からのはなむけの気持ちが込められた曲です。
「女性は吉永小百合さん、男性は若い頃の橋幸夫さんになった気分でどうぞ」と澄枝さんが促すと、おじさま方は「ははは」とまんざらでもない様子。演奏後は温かな拍手の中、どの方も笑顔になっていたようにお見受けしました。
総会前のお忙しいところ短い時間ではありましたが和やかなひとときをお過ごしいただけたかと思います。新しい環境でのご苦労があることと思いますが、ともに助け合う活気ある自治会になりますことをお祈りいたしております。