お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_4月

2017.4.21

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では、
町内会主催のサークル活動として、
この住宅とその周辺にお住まいの方々の交流の場
「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌い、
おいしいコーヒーとおしゃべりを楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、
音楽リーダーとなる音楽家をコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

新年度最初のうたカフェ、今日は水仙の花がお迎えしてくれました。花壇では園芸部の方たちが作業に励んでいました。どんな花が咲くのかたのしみですね。
さて、本日も音楽リーダーは仙台オペラ協会のソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ伴奏は富樫範子さんです。
毎月やっているうたカフェですが、新年度ということでリーダーのお三方はいつも以上に気合いが入っているようでしたよ。
最初の歌はおなじみ『森のくまさん』です。ウォーミングアップを兼ねてまず歌詞を朗読したのですが、これが大笑い。言葉のイメージをわざと大袈裟に誇張してドラマティックに読む松本さんに参加者は気圧されながらも果敢にまねていました。男女に分かれて「くまさんチーム」「お嬢さんチーム」が交代で歌うと、歌でキャッチボールをするような楽しさがありました。
続く『親子どんぶり』はもともとドイツの曲だそうですが、「おやこどんぶり、お寿司に弁当、サンドウィッチ…」という食べ物づくしの替え歌として親しまれています。
「これを輪唱してみましょう」とまずは2チーム、次に3チームに分かれて歌ってみました。初めは他のチームの歌声につられて音程があやしくなることもありましたが、どんどん重ねてゆくとすばらしいハーモニーになっていきました。シンプルな歌なのにちょっとずらして歌うだけで「おお~」と感心するぐらいの合唱に聞こえてくるのです。これは面白いですねえ。
イタリアの古曲『Viva, La Musica』も同じように輪唱しました。たった6小節の旋律がぐるぐると螺旋を描いて、響きの大きな渦が会場に広がります。松本さんは全身を使って指揮をしていました。最後、収束したときには「わ~」と自然に拍手が湧きました。この楽しさはいったい何でしょうか。
さて、そろそろ一息いれましょう。毎回おいしいコーヒーを用意してくださるのは喫茶ひこのマスター西垣さんです。西垣さんも「毎月こうして歌を聞くのが楽しみで」とおっしゃいます。ありがとうございます。参加者も演奏家も西垣さんのコーヒーをとても楽しみにしているんですよ。

コーヒータイムのミニコンサートでは松本さんと岩瀬さんが『逢えてよかったね』の二重唱を披露しました。やさしいハーモニーに参加者のみなさんはうっとりと身を任せて聴いていました。
「いつまでも いつの日も 歌い続けたい」という歌詞がそのままお二人の姿に重なって、いっそう染みてきます。
最後に、「うたカフェが始まって2年半、みなさんとの出会いがあったからここまで続けてこられました。これからも一緒に歌っていきましょう」と松本さんが言いました。
演奏家や参加者をはじめ、町内会長さんや区役所のご協力など、実にさまざまなご縁があつまってこの場を成していることを改めて思い起こす春の午後でした。